全長 | 20~30cm |
重量 | 0.2~0.3kg |
地域 | ヨーロッパ |
年代 | 16~19世紀 |
スティレットとは、刀身が錐のように細く鋭くなっている、メイルブレイカーとしての機能を持つ短剣の一種である。
語源は蝋板に文字や絵を書き刻む道具である「ステュルス(Stylus)」である。
刀身の断面(切り口)が三角形もしくは四角形であり、今回のCGでは四角形のものを採用した。
刀身以外での特徴としては、柄や鍔、柄頭の部分の装飾が楕円もしくは球体を繋ぎ合わせたような感じで構成されている点である。
暗殺に優れた機能を持つ反面、何気に装飾面では凝っているものが多い。
1 | 剣身:ブレイド(Blade) |
2 | 切先:ポイント(Point) |
3 | リカッソ |
4 | 柄:ヒルト(Hilt) |
5 | 鍔:ガード(Guard) |
6 | 握り:グリップ(Grip) |
7 | 柄頭:ポメル(Pommel) |
鎖帷子(チェインメイル)を刺し貫くための短剣に需要があった時代に生まれた、メイルブレイカーの一つである。
一般市民の護身用武器としての意味合いが強い武器でもある。
持ち運びが簡単で、突き刺すと言う致命傷を負わせやすい特徴が強かったため、都市部の治安維持のためにしばしば携帯を禁じられた。
しかしこの当時は日常でもレザーメイル、チェインメイルを着ている者が多々闊歩している、騒極まりないご時世。
そんな時代だったので、携帯を禁じられようが関係なく、身の安全のために市民に広く流通していたようだ。
突き刺す。この一点のみが攻撃手段の、極めてシンプルな武器である。
ただし刺突という攻撃は、熟練度が少なくても、当たり所が悪ければ内臓に重大なダメージを与える場合もある。
しかし、その利点を考えすぎて過信してもいけない。
刺突は左右に避けられたらそこでお終いだし、何より刺突専用武器は極めて刀身が脆いという重大な弱点もある。
硬い金属の塊や石の塊で防御されれば折れる可能性があるし、刃の側面を強打されればあっさり折れるだろう。
あくまで鎧の隙間を縫って突き刺す、最後の手段の武器なのはお忘れなく。
2008年 9月10日更新
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