全長 | 50~80cm |
重量 | 2.0~2.5kg |
地域 | ヨーロッパ |
年代 | 13~14世紀 |
「モーニングスター」をフレイルタイプにしたものがこの武器である。
普通にモーニングスターと言っても差し支えないのだが、一般的にはボール・アンド・チェインと呼ばれているのでこちらを採用する。
モーニングスターのメイスヘッドをそのまま殻物にしたもので、柄の長さ次第では歩兵用だったり騎兵用だったりする。
また他のフレイルと比べて、連結部分の鎖が長いのも特徴である。
1 | 殻物:ヘッド(Heads) |
2 | 刺先:スパイク(Spike) |
3 | 継手 |
|4|柄:ポール(Pole)|
5 | 石突:バット(Butt) |
フレイルは東方から伝わったと言われている。(ファ○ナルス○ークとかは関係ありません。)
当初はフレイルと言えば騎兵が馬上で持つ片手用のもの(ホースマンズ・フレイル)だったが、長柄にして両手用に改良したもの(フットマンズ・フレイル)が登場する。
ホースマンズ・フレイルが改良されていく過程で、素早く振り回せて、かつ高い打撃を叩き込める完成系の一つが、ボール・アンド・チェインである。
金属鎧を容易に叩き潰す強力な武器であったが、歩兵のパイク戦術や銃火器の発展によって戦場から消えていった。
振り回すだけで、遠心力が掛かった殻物が敵めがけて、モーニングスターの打撃力と遠心力で加えられた威力が叩き込まれる。
モーニングスター(モルゲンステルン)自体がメイス系武器の完成形である上、フレイル系武器の「打撃力+遠心力」の特徴も兼ね備えており、打撃系武器では間違いなくトップクラスの破壊力を持っていると言える。
鎖が長いのだが殻物の重さがかなりあるので、素早く振り回して攻撃することが可能である。
ブンブン振り回すだけで高い威力が保証されているため、訓練も容易で誰でも扱いやすい。
ただし、いくつか弱点もある。
ブンブン振り回す=鎖に負担が掛かる=鎖が壊れ易い。
この殻物と鎖がなくなってしまえば、恐ろしい威力を誇るボール・アンド・チェインもただの棒切れに過ぎない。
また、長い鎖の武器は敵の刀剣等に巻き付けて動きを封じるなどの戦法が使えるものが多いのだが、ボール・アンド・チェインは殻物が大きいために武器封じには向かない。
簡単に使える反面、器用な使い方が出来ず、武器破壊されると手も足も出なくなってしまうので、高い威力と使いやすさだけに目を向けず、使用上には注意が必要である。
2008年 10月18日更新
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