オーバーフラッグ

オーバーフラッグ
OVER FLAG
登場作品 機動戦士ガンダム00
型式番号 SVMS-01O
全高 17.9m
重量 69.7t
所属 ユニオン
武装 20mm機銃
ミサイル
新型リニアライフル トライデントストライカー
ソニックブレイド
ディフェンスロッド
搭乗者 ダリル・ダッジ
ハワード・メイスン
ジョシュア・エドワーズ
ランディ
スチュアート


【設定】

ユニオンの量産型可変モビルスーツ。
グラハム専用ユニオンフラッグカスタムをベースに制式化した機体で、グラハムの指揮する第8独立航空戦術飛行隊、通称『オーバーフラッグス』のみにユニオンフラッグをレイフ・エイフマンによってカスタムする形で14機が配備された。
スペックは殆どがグラハム機と共通だが、武装配置は右利き用が基本となり、安全面を考慮してリミッターが設定され、最高速度が抑えられた代わりにパイロットへの負荷が軽減されたものと思われる。

後にオーバーフラッグス隊員がジンクスに乗り換えた事で部隊は解散となったが、残存した機体が塗り替えられたのか、あるいは少数が更に生産されたのか、地球連邦軍でも水色の機体が運用された模様。
バリエーションとして、宇宙用にフライトユニットをプロペラントタンク一体型スラスターに換装したオーバーフラッグ宇宙型(アストロパッケージ)が存在する。


【武装】

20mm機銃

胴体部に内蔵されている。
主に対人兵器や牽制などに用いられる。

ミサイル

両脚部の脛に相当する箇所に内蔵されている実弾兵器。

新型リニアライフル トライデントストライカー

本機用に用意されたアイリス社製の新型リニアライフル。
試作型では銃口は一つで内部機構によって単射と連射を切り替えていたが、トライデント(三つの歯)の名の通り、単射用の200mm口径1門と速射用の60mm口径2門の計3門の銃口によって役割分担をしている。

ソニックブレイド

高周波振動を起こして切断力を向上させる実体剣。

プラズマソード

刃にプラズマを発生・収束させる事で、短時間のみだがビームサーベルにも対抗できるプラズマソードとして使用可能。
このプラズマの発生機能はビームサーベルの開発途中で生まれた副産物によるもの。

ディフェンスロッド

左腕に装備される棒状の防御兵装。
使用時は回転させて角度を調整し、着弾時に瞬間的にプラズマフィールドを発生させて跳弾させる。
実弾の防御を想定しているが、熟練者が使えばビーム兵器も数発なら受けられる。


【原作の活躍】

グラハム・エーカー指揮の下、ユニオン・AEU・人類革新連盟の3勢力によるガンダム掃討作戦にてグラハム機含めて全15機で初出撃。
飽和砲撃の物量でガンダムを圧倒して疲弊させた後の詰めとして取り囲み、独断かつ無謀な突撃でジョシュア機を失いながらも一時はロックオン・ストラトスのガンダムデュナメスを行動不能にかつ鹵獲状態まで追い込んだものの、突然現れたチームトリニティのガンダムスローネアインの急襲で2機を失い、撤退を余儀なくされてしまう。
オーバーフラッグス本部(旧名MSWAD本部)へのトリニティ襲撃時には突出したガンダムスローネツヴァイに包囲射撃を行うが、撃墜こそされないものの有効打も中々与えられず、痺れを切らしたハワード機が接近戦を仕掛けた結果撃墜され、撤退するガンダムを見逃す事に。
以後はジンクスがアレハンドロ・コーナーの手によって提供され、ユニオン分として割り当てられた10機にオーバーフラッグス隊員をパイロットとして選抜し、国連軍としてフォーリンエンジェルス作戦に参加する事となったため部隊も解散となって出番を終えた。
しかし、4年後に残存機が新たな姿を得て蘇る事となる。

また、ELS戦ではオーバーフラッグ宇宙型が戦力補強のために運用されていたが、その内の一機はELSジンクスに侵食されていたところをガンダムハルートによってコクピットを外して撃破され、パイロットは無事に脱出した。


【搭乗者】

ダリル・ダッジ

CV:西 凜太朗

オーバーフラッグス隊に配属された長髪ドレッドの黒人男性。
当初は曹長であったが、後に准尉に昇格した。
グラハムに対しては深い尊敬の念を抱いており、彼を侮辱した者には激しい怒りを露にもしている。
戦友であるハワードと共にフラッグファイターとしての強い誇りを胸に戦場を駆けるも、ガンダム鹵獲作戦の失敗を機にガンダムとの性能差を嘆く様になる。
ガンダムスローネツヴァイによってハワードが討たれた後はその仇討ちのためと、葛藤しながらも配備されたジンクスに搭乗した。

【原作名台詞】

  • ダリル「モビルスーツじゃ対応が効かねぇ。対人制圧用のオートマトンを出すよう要請するしか…」
    ハワード「無理無理。こっちはガンダム目当てで軍を派遣してんだ。上層部が余分な戦力を回すわけねぇさ。」
    ダリル「世知辛いねぇ、全く!」
    • アザディスタンでテロが多発し、対応に追われるダリル達。本命のガンダムとは別に紛争にも真摯に対応している。
    • 実はこの時点で「オートマトン」の存在に触れている。

  • 「奴は隊長の事をとても尊敬していました。次期主力モビルスーツ選定にフラッグが選ばれたのは、テストパイロットをしていた隊長のお陰だと。」
    「隊長、奴はこうも言ってました。『隊長のお陰で自分もフラッグファイターになる事が出来た。これで隊長と共に空を飛べる。』と…」
    • ハワードの死後、彼のフラッグへの思いをグラハムに語る。ハワードの思いを知ったグラハムはフラッグでガンダムを倒すことを決意する。


ハワード・メイスン

CV:高橋 研二

ダリルと共にオーバーフラッグス隊に配備された准尉。
オールバックに眼鏡が特徴の白人男性。
フラッグファイターとしての矜持が強く、ガンダムとの性能差を前に弱音を吐いたダリルを叱責したこともある。
その操縦技術の高さは、本来困難とされたフラッグの空中変形さえも可能としていた。
トリニティによるMSWAD本部急襲の際に出撃し、スローネツヴァイに包囲射撃を行う中、独断かつ単機でプラズマソードによる格闘戦を仕掛けたが、鍔迫り合いで動きを止めた所をGNファングによって機体全身を貫かれて撃墜され、戦死した。
生前、ダリルにフラッグへの思いを語っており、ハワードの死後にダリルからそれを聞いたグラハムはフラッグでガンダムを倒す事に拘るようになった。

【原作名台詞】

  • ダリル「中尉、追いかけましょう!」
    ハワード「今ならまだガンダムを…」
    • マスード・ラフマディーを返還し飛び去って行く非武装状態のガンダムエクシアの追跡を進言するが、グラハムからは「そんな事をしたら我々は世界の鼻摘み者だ」と却下される。
    • たとえ敵対しているとはいえ、アザディスタン王国の安定化に欠かせない重要人物をテロリストから救出してくれた者に対して銃を向けようものなら、アザディスタンのみならず全世界からユニオンが批判される国際問題になりかねないのでハワード達の判断は軽率だったと言える。

  • 「ダリル。俺達はフラッグファイターだ。矜持を見せろよ。」
    • チームトリニティの出現でガンダムとの性能差を嘆くダリルに対して。彼のプライドが垣間見える。

  • 「見せてやるガンダム! これがフラッグの力だ!!」
    • MSWAD基地にてスローネツヴァイと交戦。空中変形を披露して鍔迫り合う高い実力を見せるが…
    • この台詞は「HG オーバーフラッグ」のパッケージにも採用されている。

  • 「隊長…フラッグを……」
    • GNファングで機体を刺し貫かれ、無念の戦死。


ジョシュア・エドワーズ

CV:金野 潤

オーバーフラッグス編成に伴い、アラスカから転属されたフラッグファイターで階級は少尉で、通称「アラスカのジョシュア」。
赴任時のフラッグ12機の編隊飛行では先頭を勤め、フラッグの空中変形を行えるなどの高い実力を持っているが、上官となったグラハムへの対抗意識は強く、彼の過去を持ち出して「上官殺し」と侮辱するなど、敬意は全く無い。
三軍合同軍事演習では命令を無視し、単身でデュナメスに突撃してライフルの連射を浴びせたが、咄嗟のGNビームピストルの一撃をコクピットに直撃され、戦死した。

オーバーフラッグス転属前はユニオンフラッグ空戦偵察哨戒型(エアロフラッグ)を乗機としており、当時は多大な成果を上げていた。

【原作名台詞】

  • 「出撃前から臆病風かよ。部下がこんなんじゃ、グラハム中尉の力量も知れるってもんだな。」
    • 初登場時の台詞。その後もグラハムに対して辛辣な言葉を浴びせる。ダリルも当然キレるがグラハムは「汚名は戦場で晴らして見せよう」と特に不快感は見せなかった。
    • ちなみに「臆病風」発言はコーラサワーもジンクス搭乗を拒否して作戦に参加しなかったグラハムに対して行い、彼もまたダリルを怒らせることに。

  • 「フン、隊長面して!」
    「いつまでも自分だけのものと思って…ん? 何ィィッ!?」
    • グラハムの命令を無視して単身で空中変形を披露しつつMS形態でガンダムデュナメスに突撃。結果、彼は案の定返り討ちにされた。
    • こうは言っているが、グラハムはれっきとした隊長であり、明確な上官侮辱に他ならない。更に、彼の独断専行によって相手に接近を気付かれ、グラハムも当初の作戦を変更せざるを得なくなってしまい、視聴者に「自分勝手な行動は碌な結果にならない」という事を身をもって示した。
    • しかもこの後、グラハムは閉所の谷間に被弾面積を最小限にするため飛行形態のまま攻撃を回避しながら高速で接近、地上スレスレでデュナメスの間近で変形し機体を拘束するという荒技を披露し、ジョシュアとの役者の違いを見せつけた。そのためジョシュアもこの手の例に漏れずネタキャラ扱いされている。

【その他名台詞】

  • 「グラハム・エーカーがいない今、ユニオンの真のエースが誰かを見せる絶好のチャンスだ! 同等の機体を手に入れた今、ガンダムだろうと俺の敵ではないわ!」
    • 『第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇』より、条件を満たすとジンクスに乗って現れる。確かに生存していれば有り得たかもしれない展開だが、やり込み要素の都合上存在に気付かなかったプレイヤーも多かった*1。なお、ジンクスはゲームシステム上強敵だが、流石に一般機より強いがネームドの中では一番大したことはない。
    • 同作のジョシュアの紹介文には「空中変形を敢行してデュナメスに迫った凄腕パイロット」と、スパロボスタッフの悪意が見えるような文面が掲載されていた。


ランディ


オーバーフラッグスの一員。ジョージア州で活躍していた様で、初登場時にハワードにはジョージアのランディと言われた。
三国合同軍事演習に出撃してデュナメスを取り囲んだが、スローネアインの狙撃によるGNランチャーの第一射で背面からコクピットを撃ち抜かれて撃墜され、戦死した。


スチュアート


オーバーフラッグスの一員。イリノイ州で活躍していた様で、初登場時にハワードにはイリノイのスチュアートと言われた。
三国合同軍事演習に出撃してデュナメスを取り囲んだが、スローネアインの登場に対応しきれず、GNランチャーの第二射でコクピットを撃ち抜かれて撃墜され、戦死した。


【VS.シリーズの活躍】

EXTREME VS.シリーズ

家庭版EXVSからCPU機として登場。
実弾属性のBRともいえるトライデントストライカーの他に、スタン効果のあるプラズマソード、カスタムフラッグがデュナメスに抱き着いた技(通称「まさに眠り姫だ」)も使ってくる。
なお、変形はオミットされており、終始MS形態のままで戦ってくる。

GVS.

CPU機のみならず、ストライカーとして登場。
スタン効果のあるプラズマソードで援護してくれる。


【その他の活躍】

ガンダムビルドファイターズ

第14話の第7回ガンプラバトル選手権世界大会予選第5ピリオドの玉入れで登場。
勝利した白組の一員として勝鬨を上げていた。

第21話のアイラ・ユルキアイネンの回想での量産型キュベレイのテストで黒いオーバーフラッグス仕様機と青白い地球連邦軍仕様機が登場。
黒い方はアイラ機のファンネルで即座に撃墜されたが、青白い方はファンネルを回避して飛行形態から変形すると共にトライデントストライカーで反撃した。

スーパーロボット大戦

1stシーズンの原作再現がされた『第2次Z破界篇』では原作通り登場。
ハワード、ダリル、ジョシュアの3人がネームドキャラとして乗ってくる。
ちなみにジョシュアを初登場のステージで撃墜しないでクリアするとフォーリングエンジェル作戦のステージでジンクスに乗ってやってくる隠し要素があるが、こっちでは全滅させないとクリア条件が満たせないので見逃してあげることは出来ない。
ハワードは原作通りプレイヤーの関わらない形で戦死するが、ジンクスに乗った時用の音声が収録されているらしい。


【余談】

本機に搭乗したジョシュアは「アラスカのジョシュア」という通り名を持っているが、機動戦士ガンダムSEEDには「JOSH-A(ジョシュア)」の通称を持つアラスカ基地が登場している*2


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最終更新:2023年11月22日 20:41
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*1 「SRポイント」という特定の条件を満たすと獲得出来るポイントで、これを満たす場合は当該ステージでジョシュアも撃破しなければならない。要するにジンクスに乗るジョシュア登場は、ある意味ペナルティである

*2 地下に戦略兵器「サイクロプス」が仕掛けられていた場所でフリーダムガンダムの初陣となった場所でもある。