アビスガンダム

アビスガンダム
ABYSS GUNDAM
登場作品 機動戦士ガンダムSEED DESTINY
型式番号 ZGMF-X31S
RGX-02(連合ナンバー)
所属 地球連合軍
搭乗者 アウル・ニーダ
マーレ・ストロード
武装 MMI-GAU1717 12.5mmCIWS
MMI-GAU25A 20mmCIWS
MX-RQB516 ビームランス
M107 バラエーナ改2連装ビーム砲
MGX-2235 カリドゥス複相ビーム砲
両肩部シールド
特殊装備 ヴァリアブルフェイズシフト装甲


【設定】

ザフトがインパルスガンダムカオスガンダムガイアガンダムと同時期に開発したセカンドステージシリーズの中の一機。
開発コードでもある機体名はプラモのインストを見るに海中という深淵に潜んで獲物を仕留める様子を期待した事によるもの。
インパルスと同様にパワーエクステンダーとVPS装甲を採用し、デュートリオンビーム送電システムにも対応している。

型式番号の最初の3は水中戦用である事を示しており、MS形態で水中でも運用可能なのは勿論、潜水艇型のMAに変形する事で水中で圧倒的な機動力と運動性を誇り、VPS装甲のおかげでビームが使えない水中では無敵に近い防御力を発揮する。
武装の構成や描写を見るにMA形態は水中戦闘用で、MS形態はMAでは対応できない水中での格闘戦、より高火力を発揮できる水上での砲撃、及びMA形態が不要となる水中以外での戦闘用(主に砲撃支援)と用途が分けられている。

従来の水陸両用MSグーン、ゾノは基本的に水中での運用がメインで陸上はオマケという程度だったが、本機は飛行は不可だが高い基礎スペックでガイア程ではないものの陸戦用MSとしての最低限の機動性及び戦闘能力を確保しつつ、更に宇宙空間での活動も可能としている。

本機とカオス、そしてガイアは元々インパルスの全局面対応のためのシルエットとして用意される構想だったが、実戦に耐え得る性能を発揮するには技術的なハードルが高過ぎたため、まずはインパルスを支援する別の機体として開発して後の技術発展を待つという流れで開発が始まった経緯がある。

本機の開発理由に「白鯨」ジェーン・ヒューストンらの活躍により、グーンとゾノでは圧倒的な敗北を喫してしまった事から、地球連合軍の水中戦用MSを本格的な脅威とみなし、高性能な水中戦用MSが求められた背景がある。
本機の派生機は特に存在しないが、アッシュが同様の背景から開発、配備されている。


【武装】

MMI-GAU1717 12.5mmCIWS

カオス、ガイアと共通で採用された機関砲。
頭部のブレードアンテナの間に1門が内蔵されているが、これはZZガンダムのハイメガキャノンに相当する位置で、ここへのバルカンの搭載はガンダムシリーズで唯一。

MMI-GAU25A 20mmCIWS

セカンドステージシリーズ全機共通で採用された機関砲。
胸部に2門が内蔵されている。

MX-RQB516 ビームランス

先端にビーム刃と実体剣を複合装備した、ハルバードの様な槍系武器。
MA形態時は前腰部にマウントされる。
実体剣部のおかげで水中でも問題無く使用可能。
柄にビームコーティングが施されており、ある程度の出力までならビームサーベルも受け止められる。
本来は間合いを取り直すための武装だが、アウルは相手が近くにいれば積極的に斬りかかる事が多かった。

M107 バラエーナ改2連装ビーム砲

背部に搭載された連装ビーム砲。
フリーダムガンダムのM100バラエーナを省電力化・連装化させた系列モデル。
MA形態では主砲であるかの様な位置に来るが、ビーム兵器のため当然水中では使用不可。
水上で砲身だけ出して砲撃するためのものと思われ、やや射角が限られるがMS形態でも前方へ発砲可能。
元はMMI-M15クスィフィアスの系列モデルが搭載される予定だったらしいが…水中火力よりもMA形態でビームを使える事を重視したのだろうか。

MGX-2235 カリドゥス複相ビーム砲

胸部に内蔵された大火力ビーム砲。
カラミティガンダムのスキュラを意識したものと思われる。
3連装ビーム砲やバラエーナ改と同時に使用可能だが、消費も大きいためか余裕のある戦闘序盤かここぞという時で使用する事が多かった。

両肩部シールド

特に名前は無く機体の一部と見なされる両肩部のユニット。
MA形態時は頭部を覆う様に密着させる事で水流抵抗減免のためのフェアリングとなる。
多数の武装を内蔵しているだけでなく、VPS装甲でありながら対ビームコーティングも実施されており、本機専用のシールドでもある。
PS系の装甲にはビームコーティングは相性が悪いため本機まで実施例は無かったが、何らかの技術革新で実現したと思われる。

MMI-TT101Mk9 高速誘導魚雷

シールドに搭載され、表面に発射口を持つ魚雷。
グーンやゾノの533mm魚雷の発展型とされる。
MA形態での主兵装だがMS形態でも使用可能。

M68 連装砲

シールド端に装備された実体弾砲。
水中でもMA形態でも使用可能だが、MA形態時は構造的に後方への攻撃用となる。

MA-X223E 3連装ビーム砲

シールドの裏面に内蔵されたビーム砲。
広範囲の多数の目標を一度に撃破するためによく用いられた。


【原作での活躍】

冒頭にカオス、ガイアとともに地球連合軍の特殊部隊「ファントムペイン」によってアーモリー・ワンのMS工廠から強奪され、圧倒的な火力で多数のザフトMSを撃破・脱出し、他2機共々ガーティ・ルーに回収される。
デブリ帯宙域ではゲイツRをスティングと共に瞬く間に撃墜し、ステラも加えてシンとルナマリアと互角に戦う。
ユニウスセブン残骸宙域では作業に従事するザフトのゲイツRやテロリストのジンハイマニューバ2型を見境なく撃墜するが、イザークのスラッシュザクファントム、アスランのブレイズザクウォーリア、ディアッカのガナーザクウォーリアの連携には敵わず撃退される。

インド洋ではグーン3機を即座に撃破し、ルナマリアとレイのバズーカ装備のザクを水中で弄び、撤退間際にはボズゴロフ級ニーラゴンゴを瞬く間に撃沈し、水中での圧倒的な性能を示している。
ダーダネルス海峡ではフォースインパルスを相手にしていたが、介入して来たフリーダムにクスィフィアスで脚部推進システムを損傷させられたため撤退した。
クレタ島沖の戦闘では海上をホバーしていたブラストインパルスと交戦し、海中から飛び出ての3連装ビーム砲で止めを刺したかに見えたが、撃墜したかの確認のために海上に留まっていた所を、ブラストシルエットを身代わりにして爆風に紛れて難を逃れていたインパルスによる反撃のビームジャベリン投擲に反応出来ずにコクピットを貫かれ、制御を失って海中に墜落、爆散した。


【搭乗者】

アウル・ニーダ

CV. 森田 成一

地球連合軍のエクステンデッド。
陽気でやんちゃな性格だが、少々生意気な中高生相応といった所。
年の近い兄貴分であるスティング・オークレーとはプライベートではカードゲームやバスケを行ったりと若者らしい交流シーンが多かった。
ブロックワードは「母」であり、研究所時代に慕っていた女性研究員のことを母と認識していた様で、ロドニアの研究所がザフトに発見されたという話から思い出し、連想して発動した際にはステラ・ルーシェと同様に発狂していた。
ステラの事は若干面倒臭がりながらも気にかけていた様で、ステラに関する記憶を消された後も、ザフトから強奪してハンガーに並ぶガンダムがアビスとカオスしかないことに違和感を抱いていた。止めは皮肉にもステラが捕虜となっているミネルバとの交戦の最中、ステラを保護したシン・アスカの手によるものだった。
尚、小説版では死に際にステラのことを思い出し、ステラとスティングのことを想いながら安らかな最期を迎え、マガジンZ版では死に際に女性研究員のことを想いながら最期を迎えた。

【原作名台詞】

  • 「じゃあお前はここで死ねよ!」
    「ネオには僕が言っといてやる、さよならってな!!」
    • 第2話より。離脱するという指示を無視して戦闘を続けるステラを見かねてブロックワードを発言。かなり粗暴な物言いでスティングからも咎められるが、この後「こうでもしないと止まらない」と発言しているので彼なりにもステラを連れて帰ろうとしていたようだ。
    • あまりにも過激な発言だったからか、スペシャルエディション版ではカットされステラも普通に脱出する場面になっている。この変更でステラに劇中最初にブロックワードを浴びせるのはシンになってしまった

  • 「やめときなよ。俺ら第81独立機動群でさ。」
    「ボーッとしてっけどさ、そいつもキレるとマジ怖いよ?」
    • 第15話。ステラにナンパする連合兵に対しナイフを首筋に突きつけて。彼女を気にかけている事がわかる一幕。彼女も戦闘になると手がつけられなくなる場面もあるためあながち間違いではない。
    • クルーへの恐喝という問題行動を起こしているが、正規軍とファントムペインとでは権力が違うのか特に問題にはならなかった模様。実際この兵士も彼らの所属を知るや否や逃げる様に去って行った。

  • 「アッハハ! ごめんねぇ、強くてさぁ!」
    • 第16話より。ニーラゴンゴから出撃したグーンを撃破した際に発した、彼を代表する台詞。旧型機のグーン相手に対してなのでこれだけではさして誇れるものではないが、その後たった一人で母艦ごとニーラゴンゴの部隊を壊滅させた。

  • 「えぇっ!?」
    • フリーダムのレール砲(実体弾兵器)に脚部のスラスターのVPS装甲で保護されていない部分をピンポイントで狙撃され損傷した際に。視聴者も同じ反応をした事だろう。

  • 「なんで落ち着いてられるんだよ!? ラボには母さんが!」
    「!!……母…さんが…いるん…だぞ…か、母さんが…母さんが……死んじゃうじゃないか!!」
    • スティングの制止を振り切ってでもロドニアのラボに行こうとするが、彼は不意に自分で自分のブロックワードを言ってしまう。恐慌状態に陥ったアウルは、更にステラのブロックワードまで連鎖的に発言してしまい、ステラも飛び出すという最悪の事態になってしまった。

  • 「な〜んか大事なこと忘れてる気がするんだよなぁ…」
    • クレタ沖での出撃前に。ステラの記憶は消されているが、機体の記憶までは完全に消えていなかったのか違和感を覚えている。

  • 「水の中なら無敵だぜ!」
    • ボンボン版でのクレタ沖にてインパルスを海中に引きずり込んでの発言。この言葉通りにインパルスを海中で翻弄していたが、SEEDを発現したシンに海面に上がられ、撃墜された。


マーレ・ストロード


ザフト所属のエリートパイロットでアビスのテストパイロットを務める男。
かつては地球の水中MS部隊に所属し、白鯨と恐れられたジェーン・ヒューストンに幾度となく戦い、苦しめられた。
かなりのナチュラル嫌いであり、ナチュラルを尊大な態度で見下すだけでなく、友好を持つコーディネイターは全て裏切り者とみなす程。また被害妄想も激しく、邪魔者は味方だろうと抹殺しても正義だと考えている非常に危険な男。

セカンドステージシリーズの中で最も価値があるとしてインパルスの正規パイロットの座に異常なまでに執着しており、その所為でパイロットに選ばれたシン・アスカに対して激しい嫉妬心を抱いており、度々揉め事を起こしていた。またそのイライラをナチュラルの記者であるジェス・リブルにぶつけていた他、トラップを用いてシンを殺そうとした事もあった(結局ジェスがトラップに引っかかり失敗に終わった)。

能力はそれなりにあるため結局アビスの正パイロットにはなったが、アーモリーワンのガンダム強奪事件の際に、ステラ・ルーシェによってナイフで斬られ瀕死の重傷を負わされ、機体も強奪されてしまった(アニメで顔は映らないが斬られている赤服が彼だとされる)。

その後は奇跡的に回復し、念願のデスティニーインパルス1号機のパイロットとして任命されるが、目的の為なら手段を択ばない性格は相変わらずで、ナチュラルへの敵愾心は前よりも一層強くなっており、戦争中の敵対組織の艦船とはいえ緊急性の無い場面で独断で無警告の撃沈を行う程。


【ゲーム内での活躍】

連合VSZ.A.F.Tシリーズ

連座1の家庭用から登場。コストは450の射撃寄り万能機。

射撃・格闘ともにそこそこ強いが、機動性がややウィークポイント。
射撃は2×2の当てやすい実弾のメインに横に広いサブ、超誘導の特射があり、格闘も武装のビームランスを利用した強判定の前格闘や、横振りという事もあり巻き込みやすくすぐに終わる横格等、武装は高性能の物が多い。が、変形が強めな連ザの中で、中コスト可変機の中では変形がやや死んでいるのが辛いところ。
カス当たりしやすいメインと基本足が止まるが当てやすいその他射撃、強めの格闘と「攻めてる間は強いが守りに入ると辛い」という特徴は何の因果か、フォビドゥンと共通するところがある。

しかし、原作通りに水中でも機動性が低下しないというメリットがあり、水中に限るとストフリや伝説すらタイマンで苦労する超絶強機体に変貌する。
もともと機動力は「良くはない」程度なので、他機の動きが大きく遅くなる水中ではアビスのフワステに勝てる機体は存在しなかった。
上記の適性を持つ唯一の中コスト以上の機体なので、海域では正にボンボン版のアウルよろしく「水の中なら無敵だぜ!」と言わんばかりに無双できる。やりすぎるとリアルファイトにもなりかねないのでご利用は計画的に。

EXVS.FB

ガイアの武装アシストとして登場。
ガイアがMS形態時は連ザのサブと同じ一斉射、MA形態時は連ザ前格のようにランスを突き出す突撃の2種類が存在する。
ちなみにちゃんとアウルが喋るのだが、新録ではなく『GジェネWORLD』の流用。

EXVS.2

ガイアガンダムのアシストとして登場するほか、カオス共々敵専用機として登場するようになった。しかし、今作のNPC機体の仕様上ボイスが搭載されておらずアウルが喋らない。また、アシストのアビスもアウルが喋らなくなりステラの呼び声に変更されている。


【その他の活躍】

ガンダムビルドファイターズトライ

第15、16話の第13回全日本ガンプラバトル選手権全国大会の1回戦1日目第4試合で草色とベージュに塗装された機体が登場。使用者は東東京代表鴎第三中学校のチーム「MSG」。
カオスガンダムが撃墜された反撃としてカラミティガンダムと共に砲撃している所をガンダムトライオン3のライガーグレアで撃墜された。開幕時は原作のレイダーガンダムの様にMA形態で地上を飛行しながらカラミティを乗せていた。

スーパーロボット大戦

パイロットのアウル共々扱いが非常に悪いことに定評がある。
『Z』では結構存在感を持てており*1、そのスペシャルディスクでは彼らをプレイヤーが使用できると扱いはまだマシなほうである。
『K』では既にアウルが死亡しており名前のみの登場。
『L』だと登場はするが序盤の9話でオリジナル敵により撃墜され、一度も戦闘することなくアウルはそのまま死亡してしまい、ルート次第だとそのシーンすら見れない。
多くの作品ではステラ、スティング共にアウルに関する記憶が消されていないことが多いのはせめてもの救いか。


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最終更新:2023年11月09日 18:14
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*1 いつの間にか死んでいたり主人公によっては死亡シーンすらカットされていることもあるが