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*''ドイツ式ハルバード ~Germany Type Halbard~''
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|#image(gehal01-01.png,blank,left)|
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**基本スペックと定義
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|#image(gehal01-02.png,blank,left)|
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|全長|200~350cm|
|重量|2.5~3.5kg|
|地域|スイス|
|年代|15~19世紀|
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ハルバードとは、長柄武器の完成形の一つである。&br()
長柄武器は大きく分けると「突く」「斬る」「叩く」「引っ掛ける」というカテゴリ分けが出来る。&br()
ハルバードはこれら全てを1つの武器で可能にした長柄武器である。&br()
柄に取り付ける方法は二つあり、ひとつはCG上のタイプのような柄舌(ランゲット)形式。&br()
もうひとつはCG下のタイプのソケット式で、後者は儀礼用に多く見られる。&br()
あらゆる状況に対応することが出来るように考慮して作られた、非常に洗練された武器と言える。&br()
&br()
今回のドイツ式は、比較的初期のハルバードであり、基本タイプである。&br()
ドイツ式は比較的初期とはいえ、他の国に派生したハルバードと遜色がないぐらい洗練されている。&br()
ソケットやランゲットの延長上に、槍、斧刃、鉤爪を溶接しているような感じになっており、スイス式に見られた一枚板の加工ではないように見える。&br()
(仮に一枚板加工のものだとしても、それぞれのパーツがかなり独立し、しっかりと形作られている)&br()
また、CG下タイプのS字型の斧刃は、ドイツ型だけに見られる特殊な形状である。&br()
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**部位別の呼称
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|#image(gehal01-03.png,blank,left)|
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|1|穂先:スピアーヘッド(SpearHeads)|
|2|刺先:スパイク(Spike)|
|3|斧刃:アックス・ブレード(Ax Blade)|
|4|錨爪or鉤爪:フルーク(Fluke)|
|5|柄舌:ランゲット(Langet)|
|6|柄:ポール(Pole)|
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**時代背景
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15世紀の後半にスイスで生まれたとされる武器だが、その元は13世紀に遡る。&br()
北欧の戦士が長柄に「[[スクラマサクス]]」をつけていた武器が元であり、スイスの兵士はこの即興武器を13世紀末まで使用していた。&br()
それに改良に改良を重ねられ、15世紀ごろにはフルーク=鉤爪がついたものが作られている。&br()
これが「[[ヴォウジェ]]」である。&br()
ヴォウジェは斧刃と一体化しているが、槍の穂先に近いものも見られており、この3機能をはっきり区別したのがハルバードである。&br()
フルークは頑強に作られ、引っ掛けることも叩くことも可能になり、穂先ははっきりと槍の形をすることで刺突力が増した。&br()
&br()
こうして、完成された武器であるハルバードを片手に、スイスの傭兵はヨーロッパ諸国で活躍することになる。&br()
もちろんその機能性に着目し、取り入れた国は多く、その国独自の進化を遂げていくことになる。&br()
そうした派生のひとつがドイツ式ハルバードであり、戦場で使われなくなってからも儀礼用として長く使用された。&br()
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**使用用途
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直斧刃&br()
|#image(gehal01-04.png,blank,left)|
曲斧刃&br()
|#image(gehal01-05.png,blank,left)|
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槍部分で「突く」、斧部分で「斬る」「払う」、鉤爪部分で「引っ掛ける」「叩く」。&br()
戦場におけるあらゆる状況においても対応できるように、戦場で使われながら進化してた武器ならではの用途の広さである。&br()
ただし、複合武器の宿命である「高い熟練度」は必須であり、使いこなすにはそれ相応の訓練が必要である。&br()
&br()
ハルバードは1対1の状況で使うと言うものではなく、あくまで多数対多数で使われるものである。&br()
軍隊の中で前線もしくは精鋭部隊等が使用する「戦争用」の武器なのである。&br()
仮にハルバードを使いこなせるようになったとしても、単独でハルバード片手に戦場で鬼神の如く活躍できるものではないのである。&br()
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2010年 7月24日更新&br()
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**参考文献
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***・文献
|柏書房 ||図説 西洋甲冑武器事典 ||三浦権利 著|
|新紀元社 ||武器事典 ||市川定春 著|
|新紀元社 ||武器と防具 西洋編 ||市川定春 著|
|新紀元社 ||図解 近接武器 ||大波篤司 著|
|新紀元社 ||武器甲冑図鑑 ||市川定春 著|
|ダイヤグラム・グループ||武器―歴史、形、用法、威力||田島優 北村孝一 著|
|幻冬舎コミックス ||図説 武器だもの ||武器ドットコム 著|
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*''ドイツ式ハルバード ~Germany Type Halbard~''
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**基本スペックと定義
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|全長|200~350cm|
|重量|2.5~3.5kg|
|地域|スイス|
|年代|15~19世紀|
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ハルバードとは、長柄武器の完成形の一つである。&br()
長柄武器は大きく分けると「突く」「斬る」「叩く」「引っ掛ける」というカテゴリ分けが出来る。&br()
ハルバードはこれら全てを1つの武器で可能にした長柄武器である。&br()
柄に取り付ける方法は二つあり、ひとつはCG上のタイプのような柄舌(ランゲット)形式。&br()
もうひとつはCG下のタイプのソケット式で、後者は儀礼用に多く見られる。&br()
あらゆる状況に対応することが出来るように考慮して作られた、非常に洗練された武器と言える。&br()
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今回のドイツ式は、比較的初期のハルバードであり、基本タイプである。&br()
ドイツ式は比較的初期とはいえ、他の国に派生したハルバードと遜色がないぐらい洗練されている。&br()
ソケットやランゲットの延長上に、槍、斧刃、鉤爪を溶接しているような感じになっており、スイス式に見られた一枚板の加工ではないように見える。&br()
(仮に一枚板加工のものだとしても、それぞれのパーツがかなり独立し、しっかりと形作られている)&br()
また、CG下タイプのS字型の斧刃は、ドイツ型だけに見られる特殊な形状である。&br()
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**部位別の呼称
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|1|穂先:スピアーヘッド(SpearHeads)|
|2|刺先:スパイク(Spike)|
|3|斧刃:アックス・ブレード(Ax Blade)|
|4|錨爪or鉤爪:フルーク(Fluke)|
|5|柄舌:ランゲット(Langet)|
|6|柄:ポール(Pole)|
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**時代背景
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15世紀の後半にスイスで生まれたとされる武器だが、その元は13世紀に遡る。&br()
北欧の戦士が長柄に「[[スクラマサクス]]」をつけていた武器が元であり、スイスの兵士はこの即興武器を13世紀末まで使用していた。&br()
それに改良に改良を重ねられ、15世紀ごろにはフルーク=鉤爪がついたものが作られている。&br()
これが「[[ヴォウジェ]]」である。&br()
ヴォウジェは斧刃と一体化しているが、槍の穂先に近いものも見られており、この3機能をはっきり区別したのがハルバードである。&br()
フルークは頑強に作られ、引っ掛けることも叩くことも可能になり、穂先ははっきりと槍の形をすることで刺突力が増した。&br()
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こうして、完成された武器であるハルバードを片手に、スイスの傭兵はヨーロッパ諸国で活躍することになる。&br()
もちろんその機能性に着目し、取り入れた国は多く、その国独自の進化を遂げていくことになる。&br()
そうした派生のひとつがドイツ式ハルバードであり、戦場で使われなくなってからも儀礼用として長く使用された。&br()
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**使用用途
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直斧刃&br()
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曲斧刃&br()
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槍部分で「突く」、斧部分で「斬る」「払う」、鉤爪部分で「引っ掛ける」「叩く」。&br()
戦場におけるあらゆる状況においても対応できるように、戦場で使われながら進化してた武器ならではの用途の広さである。&br()
ただし、複合武器の宿命である「高い熟練度」は必須であり、使いこなすにはそれ相応の訓練が必要である。&br()
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ハルバードは1対1の状況で使うと言うものではなく、あくまで多数対多数で使われるものである。&br()
軍隊の中で前線もしくは精鋭部隊等が使用する「戦争用」の武器なのである。&br()
仮にハルバードを使いこなせるようになったとしても、単独でハルバード片手に戦場で鬼神の如く活躍できるものではないのである。&br()
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2010年 7月24日更新&br()
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**参考文献
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***・文献
|柏書房 ||図説 西洋甲冑武器事典 ||三浦権利 著|
|新紀元社 ||武器事典 ||市川定春 著|
|新紀元社 ||武器と防具 西洋編 ||市川定春 著|
|新紀元社 ||図解 近接武器 ||大波篤司 著|
|新紀元社 ||武器甲冑図鑑 ||市川定春 著|
|ダイヤグラム・グループ||武器―歴史、形、用法、威力||田島優 北村孝一 著|
|幻冬舎コミックス ||図説 武器だもの ||武器ドットコム 著|
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