マン・ゴーシュ

マン・ゴーシュ ~Main Gauche~


基本スペックと定義




全長 30~40cm
重量 0.2~0.4kg
地域 ヨーロッパ
年代 15~16世紀


マン・ゴーシュ、もしくはマインゴーシュと呼ばれるこの短剣は、フランス語で「左手用短剣」という意味を持つ。
その名が示すように左手に持つ短剣で、右手にレイピア等を持って戦う(西洋2刀流)ときに使うものである。

実はかなり多くのバリエーションがあるのだが、主に次のような特徴が挙げられる。

・見た目に反して強固な剣身。
・盾を備えてた防御特化の左手用短剣。
・大抵のものが右手武器と刀身や構造、装飾を統一している。(基本的に2本1セットと言う考え方の為)

これがマン・ゴーシュの基本的な定義なのだが、ヒルトより上の部分…つまり刀身部分に非常に多彩なバリエーションが存在している。
一般的には(現存しているものでは)上記CGのタイプの刀身が多い。
だが文献上では次のような種類が見られた。

・刃元が櫛型になっているタイプ(恐らく「ソードブレイカー」の役割をする機能のもの)
・刀身が波打っているフランベルジェタイプ(「フランベルク」と対にしたもの)
・手元のスイッチで刀身が3分割されるパリーイング・ダガー・タイプ
・刀身の片刃が鋸状になっているタイプ
・刀身自体が「ソードブレイカー」タイプ

主にこの5種類だが、実際はもっとたくさんあると思っていい。
このような資料が現存していると言うことは、マン・ゴーシュは盾を備えた左手用短剣の総称であったと思われる。
そう考えれば、かなり創作に登場させやすい(刀身にオリジナル要素を詰め込みやすい)ものであると言えよう。





部位別の呼称



剣身:ブレイド(Blade)
切先:ポイント(Point)
リカッソ
柄:ヒルト(Hilt)
鍔:ガード(Guard)
盾型護拳:シールド・ガード(Shield Guard)
握り:グリップ(Grip)
柄頭:ポメル(Pommel)






時代背景



ソードブレイカーやパリーイング・ダガーと同様で、「レイピア」とセットで使うために作られた左手用短剣の一種である。
スペインのカップガード(スパニッシュ・カップ・ガード)をつけた左手用短剣の流れを汲んでおり、防御を特化させたタイプである。





使用用途



主に盾で受け止めたり、受け流すことが目的なのだが、刀身次第で更に運用が変わってくる。
ものによって積極的に武器破壊を狙ったり、絡め取ることも可能だが、あくまで対象はレイピア等の細身の剣である。
さすがにブロードソードやファルシオンといった幅広の刀剣を受け止めたりするのは難しいし、刀身がいかに硬めとはいえ、逆にこちらが壊れてしまうと言うパターンが濃厚である。

攻撃面としては、先端だけ刺突に向いた構造になっているため、隙があれば突きを繰り出したいところである。
攻撃に関しては突き以外は全く想定していないものと考えていい。





2008年 12月1日更新

参考文献


・ウェブサイト

 wikipedia

・文献

新紀元社        武器事典          市川定春      著
新紀元社        武器と防具 西洋編     市川定春      著
新紀元社        図解 近接武器       大波篤司      著
ダイヤグラム・グループ 武器―歴史、形、用法、威力 田島優 北村孝一 著
幻冬舎コミックス    図説 武器だもの      武器ドットコム    著






最終更新:2011年02月27日 11:29
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