全長 | 200~250cm |
重量 | 2.0~3.5kg |
地域 | ヨーロッパ |
年代 | 15~17世紀 |
フォチャードは「グレイブ」を改良した長柄武器である。
グレイブもモノによっては刃元に突端が付いていたりするのであまり違いがないように見えるが、フォチャードの唯一の特徴として刃の反対側に鉤爪が付いている。
グレイブよりもやや幅広の刃も特徴ではあるが、同じぐらい幅広のグレイブも存在するのでフォチャードだけの特徴とは言い切れないかもしれない。
また、鉤爪付きのグレイブをフォチャードと呼称したのはフランスで、ドイツでは鉤爪の形状を変えて「クーゼ」と呼ばれている。
グレイブのバリエーションの一つであると考えていいだろう。
1 | 穂先:スピアーヘッド(SpearHeads) |
2 | 斧刃:アックス・ブレード(Ax Blade) |
3 | 錨爪or鉤爪:フルーク(Fluke) |
4 | 突端:ラグ(Lugs) |
5 | 口金:ソケット(Socket) |
6 | 柄:ポール(Pole) |
7 | 石突:バット(Butt) |
「グレイブ」は14世紀ごろには有効な歩兵武器だった。
しかし長柄武器が全盛し、歩兵同士の鍔迫り合いが戦場での主な戦い方になると攻撃を受け止める手段のない為、グレイブは戦場で不利なものとなった。
その欠点を補うために受け止めるために、刃と反対側に鉤爪が追加され、フランスでフォチャードと呼ばれるようになった。
しかしフォチャードは16世紀の終わりには戦場で見ることはなくなり、あまり寿命の長い武器ではなかった。
ただ、イタリアを中心とした宮廷では17世紀の終わりまで近衛兵のパレードに使用され、ドイツでは「クーゼ」と呼ばれて近衛兵の武器として使われていたと言う。
「グレイブ」の斬撃に鍔迫り合いの機能と受け止める機能を付けた為、防御面が強化されている。
また、一般的なグレイブと比較して幅広の刃となっているので斬撃の威力はグレイブより上昇している。
鍔迫り合いに関しては少々訓練が必要かと思われるため、あまり一般兵向けの武器ではないのかも知れない。
2008年 12月24日更新
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