全長 | 50~70cm |
重量 | 1.5~1.7kg |
地域 | ヨーロッパ |
年代 | 16~19世紀 |
ボヘミア地方で使われていた刀剣で、別名「ボヘミアン・フォールション」と呼ばれている。
刃、柄、護拳が一体成形で作られており、生産が容易なつくりをしている。
文献の多くには柄部分にも何も巻いていない、本当に型抜きして刃をつけただけのようなものを紹介していることが多い。
しかし実際金属そのものを手で持ってしまうと、手の油等で錆びやすくなってしまう。
よって、当サイトでは一部の文献やレプリカにあるように柄部分に革を巻いた上で紹介しようと思う。
1 | 剣身:ブレイド(Blade) |
2 | 切先:ポイント(Point) |
|3|柄:ヒルト(Hilt)|
4 | 護拳:ナックルガード(Knuckle Guard) |
5 | 握り:グリップ(Grip) |
6 | 柄頭:ポメル(Pommel) |
17~19世紀中頃に軍用刀剣として使われていた。
銃器全盛期に広く使われていたのは珍しいことだが、マスケット銃や銃剣が仕えなくなった場合の武器として全員が装備していたと言う。
その用途の関係上、だんだんと短くなり、最終的には短剣ぐらいの長さになったと言われている。
ここで「同時代にあったサーベルは装備しなかったのかよ?」とツッコミを入れたくなる人もいるだろう。
確かにサーベルも使われていたのだが、数が圧倒的な歩兵全てにサーベルを渡すわけにもいかないわけで。
ドゥサックのような飾り気もクソもなく、実用性重視な武器が配給された、というわけなのである。
蛇足だが、ロシアの「テサック」もかなり近い形状の一体成形の刀剣である。
「Tessak(肉切り包丁)」と呼ばれているだけあり、ドゥサックと比較してかなり肉厚の刃を持っている、かなり特殊な武器である。
同じものとして紹介しようと思ったが、実際海外サイトで実物を見たらえらい違うものだったので、別項で取り上げようと思う。
形状の関係で分かるとおり、刺突よりも薙ぎ払い向きの武器である。
一体成形の頑強なつくりであるものの、一部が破損してしまうと大きくその性能を下げてしまう欠点もある。
が、用途が銃のサブウェポンなので、破損するほど激しく戦うことはないだろう。
2009年 5月12日更新
新紀元社 | 武器事典 | 市川定春 著 |