ハルパー

ハルパー ~Harpe~


基本スペックと定義



全長 40~50cm
重量 0.3~0.5kg
地域 ギリシャ
年代 紀元前7~3世紀


鎌剣と訳されることが多いギリシャの古刀がハルパー、もしくはハルペーである。
刀身が鎌状になっており、内側に向かって切っ先が曲線を描いているのが特徴である。
また、一体成形で作られており、グリップは握りやすいように山なりになっている。
あまりに古い武器のため、「俺が…ハルパーだ」と100%言えるような具体的な形状が確定されていない。
ただ、弧を描いた鎌状の剣であることは確かである。
一説には農具であったと言われている。





部位別の呼称



剣身:ブレイド(Blade)
柄:ヒルト(Hilt)
握り:グリップ(Grip)
柄頭:ポメル(Pommel)






時代背景



時代背景についてはあまり触れられていない。
例えば何かの戦争や、戦い等で使われた記述が殆どないからである。
どのような必然で生まれたかもわかっておらず、後述するペルセウスの逸話があまりに有名すぎて真実が歴史の影に埋もれてしまったものと思われる。





使用用途



引っ掛けて引くことで強力な切断力を発揮することが出来る武器である。
現代の鎌と使用用途としてはほぼ同じだが、戦闘特化で作られている分、威力は高いと思われる。
ただし圧倒的にリーチが短いため、いかに相手に近づくかと言うのが最大の焦点と言えよう。





ペルセウスとハルパー



この剣は歴史上の武器としての知名度より、ギリシャ神話のペルセウスの剣としての話のほうが圧倒的である。

ペルセウスがゴルゴン三姉妹の末娘、メデューサ退治をする際に、神々からいくつかの武具が貸し出されている。
伝令の神ヘルメスの持ち物で、「決して壊れない黄金の剣」、これがハルパー。
対となって貸し出された「鏡のような盾」が、戦争の女神アテネの「イージスの盾」である。
この盾にメデューサの姿を映して、メデューサの恐るべき石化能力を無効化し、ハルパーで首を切り落としたのである。

この神話に書かれているように、ハルパーの切断力はかなりのものだったといえるだろう。
蛇足だが、一般に知られている「イージスの盾」は、この切り落とされたメデューサの首を盾の中央にくくりつけたものである。
見るものを石化させる攻撃力と絶大な防御力を誇る最強の盾と言っていいだろう。
更に蛇足だが、「イージス艦」はこの攻防を備えた最強の盾が名の由来である。

ちなみに上記CGは様々なハルパーを描いてみたものである。
中央は一般的なハルパーをそのままゴールドにしたもの。
右側の片方の刃が途中から円を描いて枝分かれしているのが、wikipediaで「ペルセウス」を調べたときに出てきた石造が装備していたハルパーを黄金にしたもの。
左側のやや湾曲している短剣は、現存しているペルセウス像の一つが持っているハルパーをやはり黄金にしたものである。
「俺が…俺達がハルパーだ!」と言わんばかりに色々描いてみたわけだが。
メデューサのようなバケモンの首を切り落としたと考えると、やはり中央のハルパーの形状が一番信憑性が高いように思える。





2009年 8月21日更新

参考文献


・ウェブサイト

 wikipedia

・文献

新紀元社        武器事典          市川定春      著
新紀元社        武器と防具 西洋編     市川定春      著






最終更新:2011年02月24日 02:44
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