・150cmバージョンと50cmバージョン比較
・50cmバージョン
全長 | 30~150cm |
重量 | 0.3~約1.5kg |
地域 | インド |
年代 | 15~19世紀 |
シャシブルまたはシシプル(shishpar)はインド特有のメイスの総称である。
メイスヘッドには6もしくは8枚の鋭利な羽根を放射状に接合したもので、このあたりはヨーロッパの「メイス」と同様である。
シャシブルはその形状が人間の肺のように比喩できるものであり、それ以外はシシプルと呼ばれるが、このあたりも殆ど変わりはない。
ヒルトにあたる部分はインドの刀剣にもよく見られる当時流行った形状であり、パンジャブ様式と呼ばれている。
パンジャブ様式は、護拳や円形状のポメルを備えているものが特徴で、ナックルガードはあるものとないものがある。
1 | 刺先:スパイク(Spike) |
2 | 槌頭:メイスヘッド(Mace Head) |
3 | 柄:ポール(Pole) |
4 | 柄:ヒルト(Hilt) |
5 | 鍔:ガード(Guard) |
6 | 握り:グリップ(Grip) |
7 | 護拳:ナックルガード(Knuckle Guard) |
8 | 柄頭:ポメル(Pommel) |
(手持ちの資料では)特別これといった史実のエピソードはない。(画像と使用期間が判明している程度)
メイスというものはある程度の形状は、誰もが同じような構造のものを作るんだなといういい例と言えるだろう。
まずはメイス系の基本である打撃と言う用法と、形状次第では先端にスパイクがついているので、これで突き刺すことも可能である。
かなり大きなサイズなので、叩き付けたときのダメージはかなり高いと思われる。
また、ガード部分の防御性能が高いため、ここで刀剣や短剣の攻撃を受け止めたり受け流すことも可能である。
以上のことから、攻撃力にも防御力にも優れた優秀な武器と言えるだろう。
まず上の画像。手持ちの資料に書かれているサイズに調整したものである。
今回、実は作成において様々な矛盾点が発生したため、検証したことを書いておこうと思う。
参考文献にしている「武器辞典」では、シャシブルは長さ30~50cm、重さ0.3~0.5kgとある。
だが、簡単に海外サイトで拾ってきた写真からトレースしたものをいつも3DCG作成に使っているShade上で50cm大に拡大してみたところ…
うぉぉい、グリップが4cmしかねえぞ!どこの子供が持つんだこれは!?
筆者は比較的手が大きいのだが、当時の人にも同じぐらいかそれ以上の手の大きさの人はいたはずなので、4cmしかないグリップは物理的にありえない。
(実はぶきぺの他の画像に関しても、ポールとかグリップの長さや太さが現実的かどうか、手近なものを参考にして検証してから作成している)
興味がある方は、一度定規を用意して、それを握ってみたときに長さ何センチぐらいの握りが必要か見てみて欲しい。
さて。次にコインもトレースし、同じくShade上で拡大。今度はコインの大きさが直径2.6cm(最大サイズの2ユーロ硬貨と想定した場合)で行ってみた。
…あれ?150cmぐらいねぇか、これ?
ポール等のサイズも測って3DCGで起こしてみたところ、現実的なサイズになった。(グリップは10cmぐらいになり、ポールの太さも折れないレベル)
ついでに作ったのが上の50cmバージョン。(参考までに、グリップは7cm)
これならギリギリあったんじゃないかなと思ってます。ハイ。
そんな、ぶきぺは割としっかりと検証しながら作っているんだぞと言う裏話でした。
…オチはそれかって?まあ気にしたら負けだよ。
2010年 2月11日更新
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