全長 | 70~100cm |
重量 | 0.8~1.0kg |
地域 | 西ヨーロッパ |
年代 | 17~18世紀 |
コリシュマルドとは、一人の男の試行錯誤の末に生まれた刺突剣である。
語源はこの武器の作者であるオットー・ヴィルヘイム・フォン・ケーニッヒスマルク伯爵である。
彼の名前のケーニッヒスマルクをフランス語読みするとコリシュマルドになる、というわけである。
この刺突剣、一見すると「スモールソード」の類に見えなくもないのだが、特徴はその刃にある。
刃元部分の刃は太く、途中から細くなっているという変わった形状になっているのがコリシュマルドである。
これは軽量化のために途中から身を細くしているために生まれたものである。
1 | 剣身:ブレイド(Blade) |
2 | 切先:ポイント(Point) |
3 | 柄:ヒルト(Hilt) |
4 | 護拳板:ガードプレート(Guard Plate) |
5 | 鍔:ガード(Guard) |
6 | サム・リング(ThumbRing) |
7 | 握り:グリップ(Grip) |
8 | 護拳:ナックルガード(Knuckle Guard) |
9 | 柄頭:ポメル(Pommel) |
ルイ14世の名将チュレンヌに仕えたオットー・ヴィルヘイム・フォン・ケーニッヒスマルク伯爵。
彼は当時フランスで使われていた両手刺突剣「エストック」を、どうにかして軽量化できないかを模索していた。
彼はイタリアやスペインのフェンシング・スクールで用いられていた細身の剣に目を付け、自分なりの改良を行った。
まず行ったのが剣身の軽量化=細身化で、次に片手で持てるようにグリップやヒルトの改良である。
結果生まれたのがこの剣である。
「エストック」を軽量化した結果生まれた武器なので、当然刺突に特化した剣である。
エストックの特性を保ちつつ軽量化されており、更に片手で仕えるのは大きな利点だろう。
また、海外サイト等調べた結果、「スモールソード」や「ワルーン・ソード」に見られる特徴が必ず見られた。
防御のための貝殻型のガードと、そこから伸びたナックルガードや、刺突の剣捌きを補助するサム・リングである。
刺突のための研究を重ねた結果、刺突剣の防御性・機能性も付与された優れた武器だといえるだろう。
2010年 2月20日更新
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