全長 | 70~100cm |
重量 | 1.5~1.8kg |
地域 | 古代中近東 |
年代 | 紀元前2000~紀元前1500年 |
古代オリエント世界の古代シリア、パレスティナにおいて使われていた斧の一つが、このダックビル・アックスである。
斧刃の形状がアヒルのクチバシに似ていることから、後世にこの名前がつけられた。
古代オリエント世界の戦斧はまとめて「アクゥー(Aque)」と呼ぶ場合もある。
名前の通りアヒルのクチバシを髣髴させる斧頭を持ち、これは青銅もしくは銅製である。
斧頭は大体横幅10cm前後でやや小型ではあるが、肉厚な刃を持つことで威力をカバーしている。
「イプシロン・アックス」のように開いてる穴を使って柄に固定するタイプではなく、現代のものに近いタイプである。
1 | 斧頭:アックス・ヘッド(Ax Head) |
2 | 柄:ポール(Pole) |
古代オリエントの世界では、剣、槍、棍棒、弓と並んでオーソドックスな武器として、各地で色んな形状の斧が作られた。
その中で古代シリア、パレスティナで使われていた戦斧がダックビル・アックスである。
古代エジプトとは違い、ダックビル・アックスの時代の(少なくとも)約500年前でも、紐を使った固定方法は用いていない。
斧なので当然振り下ろしたり振り回すことで大ダメージを与えられる。
斧刃は厚いほうなので斧頭がやや小さく当てにくいものの、総合的な威力は「イプシロン・アックス」と比較して遜色ないものである。
ただ、やはり素材が銅や青銅であるため、あまりに硬いものに対しては余り効果は発揮できなかったものと思われる。
…最も、この時代には鎧どころか服を着て戦うこともなかったので、問題はなかっただろう。
2010年 3月15日更新
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