スパイクド・クラブ

スパイクド・クラブ ~Spiked Clubs~


基本スペックと定義



全長 50~80cm
重量 0.8~1.5kg
地域 ヨーロッパ
年代 11世紀~16世紀


先端に何本もの放射状のトゲが打ち込まれた棍棒をスパイクド・クラブという。
この打ち込まれたトゲに関しては素材は特に問わないので、動物の骨でも棍棒にくくりつけられていればスパイクド・クラブと分類できる。
CGではやや近代的なタイプを描いたので杭状の金属のトゲをつけてあるが、もっと細くて鋭いトゲを使用することも多い。
モルゲンステルンとの違いは、木製ベースの棍棒であるか、金属ベースのメイスか、という違い程度である。





部位別の呼称



槌頭:メイスヘッド(Mace Head)
刺先:スパイク(Spike)
柄:ポール(Pole)






時代背景


前述にあるように、下手をすれば魚の骨ですら括り付けていればこの武器と呼べるため、実際はいつ頃から使われ始めたかは分かっていない。
しかし12世紀頃から広く使われた記録があり、16世紀頃の絵画にもその存在が確認できるので、この時代では一般的な武器であったと思われる。





使用用途


もちろん、力いっぱい殴りつけることが正しい用途。
CGのものはトゲが短いので連続で殴りつけることが出来るが、トゲが長いものは鎧等を貫通した場合、引き抜くのに少々時間がかかると思われるので注意が必要だ。
また、いくら硬いとはいえ木製であるので、刀剣類を受けとめたりすることはできない。
メイス系統ほどは無茶が利かないことは覚えておいた方がいいだろう。





要するに「高級釘バット」?



何となく、モルゲンステルンを作れるほど(買えるほど)お金がなかった兵士や騎士が使ったと思われる。
現代でいうなら「職人がちゃんと作った高級釘バット」といっても差し支えない。
ぶっちゃけ言えば、釘バットもれっきとしたスパイクド・クラブなのである。
筆者も使ったことがあるのだが、すぐに釘が錆びてしまうし、衝撃でバットが割れたり釘が抜けることもしばしばなので、まったくお勧めできない。
まあ…威嚇効果だけは高いとだけ言っておこう。





2007年 11月5日更新  2008年 9月13日 画像差し替え+追記

参考文献


・ウェブサイト

wikipedia

・文献

新紀元社        武器事典          市川定春      著
新紀元社        武器と防具 西洋編     市川定春      著
新紀元社        図解 近接武器       大波篤司      著
ダイヤグラム・グループ 武器―歴史、形、用法、威力 田島優 北村孝一 著
幻冬舎コミックス    図説 武器だもの      武器ドットコム    著






最終更新:2011年11月24日 23:41
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