フランキスカ ~Francisca~
基本スペックと定義
全長 |
45~55cm |
重量 |
0.6~1.4kg |
地域 |
ヨーロッパ |
年代 |
4~7世紀 |
フランキスカとは、フランク人の用いた代表的な投げ斧である。
比較的短い柄と、柄から上向き加減に湾曲した斧頭を持っているのが特徴。
珍しく投げることをかなり視野に入れており、この湾曲の度合いは投げたときに突き刺さりやすいよう、計算されて作られている。
もちろん接近戦にも強く、当時の戦闘用の斧の中では群を抜いて優秀な部類の武器であったと言える。
部位別の呼称
1 |
斧頭:アックスーヘッド(AxHeads) |
2 |
斧刃:アックス・ブレード(Ax Blade) |
3 |
柄:ポール(Pole) |
時代背景
ローマ帝国末期に、民族大移動とともにやってきたフランク人が用いていた武器である。
フランク人は非常に文献が少なく、ゲルマン人部族であることは知られていたものの、文献上では3世紀にやっとその存在を知る程度の知名度でした。
フランク人は多数の部族群が集まって生まれ、彼らの作ったメロヴィング王朝や、それに続くシャルルマーニュ時代までフランキスカは使われていた。
斧頭は鉄製で、初期はソケット型であったが、後期になってからは貫通式のものになった。
柄の長さは斧頭の重量とバランスを取れるように、長めで太く作られていた。
使用用途
第一に投げることを考えて作られていたので、単純に投げるのが正しい運用方法である。
実験によると、普通に投げると回転して飛んで行き、約15m以内にいるものは確実に仕留められる威力があったという。
しかし、何でわざわざ斧を投げるようになったかというと、実はフランク人は弓を扱うことが下手くそで、その代わりとして使ったという。
普及率は高く、大陸だけではなく、イギリスにおいても発見されている。
しかし、フランク人の残した祭典によると、成人したもののみが持つことが許された武器であり、決して売買を認められなかったと考えられている。
2007年 11月23日更新 2008年 9月13日 画像差し替え+追記
参考文献
新紀元社 |
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武器事典 |
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市川定春 著 |
新紀元社 |
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図解 近接武器 |
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大波篤司 著 |
新紀元社 |
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武器と防具 西洋編 |
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市川定春 著 |
ダイヤグラム・グループ |
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武器―歴史、形、用法、威力 |
|
田島優 北村孝一 著 |
幻冬舎コミックス |
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図説 武器だもの |
|
武器ドットコム 著 |
最終更新:2009年08月16日 03:03