カトラス

カトラス ~Cutlass~


基本スペックと定義



全長 50~60cm
重量 1.2~1.6kg
地域 西ヨーロッパ
年代 15~19世紀


カトラスとは、主に船乗りや海賊が使用した短めの片手刀剣である。
語源はナイフを意味するラテン語の「クルテル(culter)」から変化した、フランス語の「クテラス(cutelas)」であると言われている。あー、ややこしい。
カットラスと言うこともあり、どちらも正しい発音であるといえる。
時期的にブロードソードの流れを汲んだ武器の一種と考えられており、幅広で湾曲した刀身を持ち、大きめのナックルガードが付いているのが特徴である。
シールドのようなカップガードは、付いているものと付いていないものがあり、特にこれが無くてもカトラスと言っても差し支えはない。
短めの湾曲した刀身と、やや大きいナックルガードがあるものは、大抵カトラスと言っていいだろう。





部位別の呼称



剣身:ブレイド(Blade)
切先:ポイント(Point)
血溝(樋):フラー(Fuller)
柄:ヒルト(Hilt)
鍔:ガード(Guard)
握り:グリップ(Grip)
護拳:ナックルガード(Knuckle Guard)
カップ型護拳:カップガード(Cup Guard)
柄頭:ポメル(Pommel)






時代背景



実はいつ頃から使われるようになったか曖昧なのだが、15世紀にその原型が見られることから、おおよそ15世紀ぐらいから使われてると思われている。
船乗りや海賊が海戦を行う際、船上での混戦で使うことを想定して生まれ、ガードを大きくしたり、刃を短くしたり、先端を擬似刃にしたりと、徐々に改良を重ねて言った武器である。
それだけ船乗りたちに長く愛用された証拠であり、扱いやすい武器であったと言う証拠であるといえる。
また、船乗りたちだけでなく、歩兵やマムルーク(中東の騎兵)も使用したとされている。





使用用途



断ち切ることを目的としているので、もちろん断ち切りの威力はお墨付き。
また、船乗りや海賊と言った荒っぽい連中の使用に耐えられるタフな武器なので、耐久性も非常に高い。
更にモノによっては先端の切先から擬似刃になっているものもあるので、刺突をすることに向いているものもある。

カトラスは以外にも農業用の道具でもあり、カリブ海や中米の熱帯雨林やサトウキビ畑の収穫時に「鉈(なた)」のような感じに使用されたという。
荒々しいイメージがあるので、少々ギャップを感じる意外な側面である。





太刀魚の語源



太刀魚と言う魚がいる。
塩焼きにすると非常においしい白身魚である。
この太刀魚、泳ぐときに垂直に立った状態で泳ぐため、その様子から日本では「まるで太刀のようだ」ということで「太刀魚」と名付けられた。
西洋では太刀という表現の代わり、「まるでカトラスのようだ」と言ったことから、「カトラスフィッシュ」と名付けられている。
例えとして即座に出るぐらい、身近な存在であったと言える逸話である。

あ、これ独り言なんだけど。
刀剣って分かってるカトラスに、ソードって付けるのなんかおかしくね?
あれ自体はキライじゃないんだけどさ、どうも呼び名が気になって仕方がない。





2008年 10月4日更新

参考文献


・ウェブサイト

 wikipedia

・文献

新紀元社        武器事典          市川定春      著
新紀元社        武器と防具 西洋編     市川定春      著
新紀元社        図解 近接武器       大波篤司      著
ダイヤグラム・グループ 武器―歴史、形、用法、威力 田島優 北村孝一 著
幻冬舎コミックス    図説 武器だもの      武器ドットコム    著






最終更新:2011年02月24日 02:36
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