フットマンズ・フレイル


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フットマンズ・フレイル ~Footman's Flail~


基本スペックと定義



全長 160~220cm
重量 2.5~3.5kg
地域 ヨーロッパ
年代 14~20世紀


フットマンズ・フレイルとは、その名の通り歩兵用のフレイルである。
フットマンズ・フレイルは「ゴーデンダッグ(Goedendag)」という愛称で呼ばれており、「ゴーデンダッグ」は「こんにちは」を意味している。
中世の史家「ジョヴァンニ・ヴィッラーニ」が書き記した書物では、常に「ゴーデンダッグ」と呼ばれている。
何故「こんにちは」なのかは謎なのだが、騎兵に出会い頭に叩きつけて「こんにちは、そしてさようならだ!」とでも言いたかったのだろうか?

フレイルとは、長い棒と短い棒(もしくは鉄球など。殻物という。)を連結させた武器を指す。
長い棒(柄)を振り回すことで連結した殻物に遠心力=威力を与えて、相手を打ち倒す。
フットマンズ・フレイルは両手用で長柄になっているので、かなりの遠心力を加えることができるので、非常に強力な武器であると言える。

フットマンズ・フレイルは連結部分以外は殆んどが木製で、殻物もただの木の棒だけだったりする場合もある。
殻物の種類はかなり様々あるが、今回は短い木の棒に棘を付けたタイプのものを解説する。





部位別の呼称


殻物:ヘッド(Heads)
刺先:スパイク(Spike)
継手
柄:ポール(Pole)






時代背景



フレイルは東方から伝わったと言われている。
当初はフレイルと言えば騎兵が馬上で持つ片手用のもの(ホースマンズ・フレイル)だったが、長柄にして両手用に改良したのがフットマンズ・フレイルである。
フットマンズ・フレイルは主に歩兵=徒下の兵士、騎士の従者などの身分の低い者に使われ、時には農民にも使われた。
ホースマンズ・フレイルを持った騎兵は当時はかなりの脅威で、それに歩兵が対抗するために開発され、14世紀中に広まっていった。

中世の史家「ジョヴァンニ・ヴィッラーニ」が残した年代記には、しばしば「フットマンズ・フレイル=ゴーデンダッグ」が登場している。
1302年、ブルージュと言う町の一斉一揆で犠牲になったフランス貴族の報復を行うべく、フランドルに派遣されたフランス騎士団とフランドル軍の間で行われた戦いがある。
「クルトレーの戦い」である。
この様子をジョヴァンニ氏は書き記しているのだが、簡単に書くとこんなことを言っている。

フランドル軍は指揮官から騎士まで誰も馬に乗らず、ゴーデンダッグと呼ばれる野蛮で大きな武器を持っていた。
ゴーデンダッグでフランス騎兵の軍馬の側面を殴ると、馬は棒立ちになり、たじたじと後退した。

野蛮とか言われてたり、原文はもっと酷く(?)書いてあるのだが、そんなゴーデンダッグは歩兵や農民だけの部隊に使われたと言うのに、フランス騎士団をボコボコにし、撲殺された死者は6000人になったという。
このように熟練度が低い兵士でも扱えるのに強力だったので、「パイク」や火器が登場するまでは戦場の主役の一つに上げられていた。
しかし、1920年にソビエト軍がポーランドに侵攻した際に、ポーランドの農民たちはソビエト軍を追い払うためにワルシャワ正規軍に加わり、彼らは市街地防衛のためにフットマンズ・フレイルを装備していたという。





使用用途



振り回すだけで、遠心力が掛かった殻物が敵めがけて叩き込まれる。
この攻撃は非常に攻撃方向の予測がつけにくく、避けにくい攻撃であった。
両手用なので力を込めやすく、相手が金属鎧であっても打ち倒せるほどの威力がある。
熟練度が低くても扱え、比較的簡単に作ることが出来るため、軍用として非常に重宝されたと言われている。





2008年 10月11日更新 2010年 2月24日 文章内リンク追加

参考文献



・文献

新紀元社        武器事典          市川定春      著
新紀元社        武器と防具 西洋編     市川定春      著
新紀元社        図解 近接武器       大波篤司      著
ダイヤグラム・グループ 武器―歴史、形、用法、威力 田島優 北村孝一 著
幻冬舎コミックス    図説 武器だもの      武器ドットコム    著






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