全長 | 200~250cm |
重量 | 2.2~2.5kg |
地域 | イギリス |
年代 | 15~18世紀 |
斧刃と鉤爪を持った「バトルアックス」の一種が、ロッコバー・アックス、もしくはロコッバー・アックスである。
似たような武器にジャッドバラ・アックスという武器があるが、斧刃の形状や鉤爪の位置等が違っている。
イギリスのスコットランド地方で使われ、主に農民出の熟練度の低い兵士に愛用された。
そもそもロッコバーと言う名前自体がスコットランドの一地方の名前であり、この武器の語源となっている。
1 | 鉤爪:フロック(fluke) |
2 | 口金:ソケット(Socket) |
3 | 斧刃:アックス・ブレード(Ax Blade) |
4 | 柄:ポール(Pole) |
スコットランドがまだ英国連邦に含まれていなかったときから、スコットランドの兵士たちに使われていた戦斧である。
イングランドをかなり苦しめた武器の一つであったが、火器の発展により時代に飲まれてしまった武器でもある。
それでも18世紀初頭のジャコバイトの反乱において、ロッコバー・アックスは多くの兵士に使われたと言われている。
特徴的な鉤爪「フロック」で馬上の騎士を引きずりおろし、大きな斧刃で断ち切る。
2つの機能を持ちながら、その使用方法は単純であったため、スコットランドの農民出の兵士たちには非常に扱いやすい武器だった。
馬上の相手を引きずりおろせるということは戦場においては極めて有効であり、騎兵にとっては「パイク」や火器に並んで、これほど嫌な武器は無いと言える。
2008年 11月3日更新
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