- 原爆利権

先の大戦で我が国は米国による原子爆弾の投下を受け甚大なる被害を被り、被爆者の方々が想像を絶する苦難を強いられてきた事は重く受け止めねば成らぬ事であり、語り継がねば成らぬ重大な事実である。
だが、原爆被害者および2世3世の主張に耳を傾けると、その多くが、当時の日本帝国が勝ち目のない戦争を延々と続けた事だけを糾弾している事に気付かされる。確かに、あの大戦は物量戦になれば勝ち目がないことは開戦当初から目に見えて居た事であり、長期化は最も避けるべき事態であったことは恐らくは事実であるし、早期講和さえ出来ていればあの様な事にはならなかった、という先の大戦に対する総括は右寄りの主張をする論陣からも多く聞かれる意見であって、その事自体を否定するものではない。
しかしながら、いくらいつまでも戦争の継続を主張する勢力が居り、結果として日本帝国が講和のタイミングをことごとく外し延々と戦い続けたとしても、民間人を虐殺してよい、という事には絶対になり得ない。当時の常識からしても国際法からしても、その事を正当化する根拠となりうるものは何一つ無い。
つまり原爆を投下した米国の責任に触れることなく、当時の日本帝国の作戦面の稚拙さ、或いは帝国主義だけを批判する勢力というのは、ある種のイデオロギー、或いは利権によって侵されていると断じざるを得ないのである。
本当に原爆の恐ろしさを伝えたいのであれば、イデオロギーや利権から一刻も早く脱却せねばならず、それが出来ないのであれば、その主張の説得力は半減してしまう。左翼的な主張と原爆の恐ろしさをセットにして語ることは極めて簡単ではあるが、それでは左翼的なイデオロギーを持った勢力の心にしか響かぬ主張となる。
本来、核兵器の恐ろしさ、というものは普遍的なものであるにも関わらず、それを左翼のイデオロギーの為の道具にされてしまっている事を彼らは自覚すべきであるし、特定のイデオロギーに基づいて核兵器の恐ろしさを説く事が、一体誰の特になるのか考えてみるべきである。現状、これらの主張に基づいて核兵器の恐ろしさを説き続けた結果、我が国の国防は危ういものと成っており、再び憂き目に会う可能性が高まっているという事実から目をそむけていたのでは、被爆者も浮かばれないのである。
核兵器は良くない、とする根拠は、核兵器を使用する事は確実に民間人を虐殺してしまう事なのであって、米国の責任に言及せず左翼イデオロギーに則って過去の日本国の過ちのみを糾弾する事で、本来の核兵器の恐ろしさを自らぼかしているのである。

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コメント

  • 管理者の私見と意を共にする。広島長崎から聞こえる平和の理念は、イデオロギーの匂いが感じて久しい。 -- 岩崎芳夫 (2010-02-01 06:12:18)
  • 原爆投下は有色人種蔑視と強い覇権意識が根底にある。ソ連の参戦を促し、原爆完成まで日本降伏を延ばさせ、ソ連の出端に原爆の脅威を見せつけ、戦後の優位を決定付けた。天皇を中心として国体を守ってきたわが国の精神を研究し、ポツダム宣言の偽装によって受諾拒否を目論み、秘密裏に日本国の無条件降伏を要求。そして受諾拒否を理由に投下したのである。無論正規の宣言は日本国軍隊の無条件降伏であった。広島の記念碑には、「安らかに眠ってください過ちは繰り返しませぬから」と記されています。日本の書いた碑文である以上、その誓いの言葉は日本人が過ちを行ったと言うことでしかありません。極東国際軍事裁判で唯一の法律専門家であったインドのパル判事は、裁判の公正を繕うために呼ばれましたが、他の判事がゴルフに観光にと興ずる中、唯一真剣にすべての資料を調査し、日本無罪の判決を示しました。また、広島の記念碑が完成した直後の昭和27年、同地を訪れ碑文を見て嘆かれたそうです。「日本人がこの様な卑屈な精神になってしまったことは、原爆の被害よりも甚大かもしれない」と。現政権の岡田外務大臣は、核持ち込み密約を鬼の首を捕ったかのごとく、その責任を追及しようとしています。核反対という美辞に酔い痴れている愚かな政治屋でしかありません。今日、安全保障や国益を真剣に見据えた論議でしか核を語れません。密約こそは、左翼運動が盛んな中、玉虫色の表現を示し仮想敵国から守る手段だったのであろう。密約取り交わしの関係者にはその労をねぎらうべきではないだろうか。 -- 岩崎芳夫 (2010-02-01 16:32:40)
  • このサイトはCIAの犬丸出しだな -- 名無しさん (2010-02-12 20:57:05)
  • 密約は当然の行為であり岡田氏の行為は幼稚な知識の暴露だ。 -- 津村節吾 (2010-11-01 01:47:45)
  • このような馬鹿な議員は懲罰動議で衆議院議員を失格させたほうがよい -- 木村 慎悦 (2011-03-10 10:47:05)
  • 被団協は利権集団 もう80を超え原爆の後遺症もないのに黒い雨の範囲を広げまた金をむしりとろうとする。解同と利権構造は同じ 常に被害者意識を敷衍し国税地方税に感謝なく、また二世の権利を得ようとする。あの戦争で死亡 不具者になったのは原爆だけでなく空襲 戦闘あらゆる者が犠牲者 またこの犠牲は米に強く言うべき トルーマンの人体実験だからだ。 -- かわい (2012-05-03 22:25:20)
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最終更新:2012年05月03日 22:25