~ストーリー~


天地の初めの時、空が開いて光と闇が出会った。それを見た最高神は「光の後を追う闇よ、闇の後を追う光よ、汝らに我が力の一部を授けん」と宣われた。

光と闇は互いに手を取り、最高神からの祝福を受けた。

光と闇は天地創造を始めた。まず光は時間を作り、闇は空間を作った。時間と空間はお互いに影響し合い、マイソシア大陸を生成していった。

光と闇から生まれた世界は、対立と融合という性質が強く現れており、対立と融合による創造と発展が、この世界に宿命づけられていくことになる。

人間の歴史に最高神の存在は認められていない。彼らの記憶に残る最古のものは、マイソシアの地に神の祝福を受けた文明があったことである。人々はこの文明を伝説中の理想郷であるメンタルロニアにちなんで"メント文明"と呼んだ。

メント文明は魔法の文明とも呼ばれ、メント文明人は主に精神的なエネルギーを生活に利用していた。現在マイソシアで使用されている魔法のほとんどはメント文明時代に考え出されたものである。彼らの魔法文明は神の領域である創造的な魔法を作り出すまでに発達したが、その膨大なエネルギーは、彼らの精神や肉体の許容量を超えるものだった。ゆえにメント文明人は光と闇のエネルギーを、自分たちが扱いやすいように、善と悪という形に変化させた。そして善と悪のエネルギーを利用して、創造的な魔法を使用した。人間が光と闇に代わって善と悪を利用し始めると、光と闇は人間から縁遠いものとなっていく。光と闇は神のエネルギーそのものであり、人間は少しずつ神の摂理から外れていった。

善と悪という精神エネルギーは、互いに反発する作用を持っていた。反発する作用を利用して人間たちはさらに発展していったが、反発のエネルギーはとどまるところ知らず強まっていき、ついに自分たちではコントロールできない存在を作り出したり、強力な魔物たちを呼び寄せたりすることになった。

人間の善悪による創造行為は最高神の住まう場所にも悪影響を与え始め、これを憂いた最高神は人間の記憶を一部封印して創造的な能力を奪った。

最高神はセオ神とミュレカン神を作り出し、光と闇の代わりに善と悪を支配させた。記憶の一部を封印された人間たちは、メント文明の記憶の多くを失い、セオとミュレカンを主神として崇めるようになる。

記憶を封印されたことにより、文明の停滞を余儀なくされた人間たちは、わずかに残された記憶を元に道具や機械を作り出し、再び繁栄しはじめた。これが現在のメタリアル文明である。現在、マイソシア大陸はアスク帝国が支配しており、ルアスを首都として、5つの善都市、5つの悪都市、2つの中立都市とその周辺で人々は生活している。

最近になって、古代メンタルロニアの文字を研究していた神官により、メント時代の遺物が発見された。それは封印された記憶の断片だった。遺物に書かれてあった内容は以下のようなものだった。
「人間は神に近い存在であり創造的能力を持ち得る。また、対立と融合による発展を極めた時、人間は完璧な生命体になる」

アスク帝国は封印された人間本来の能力を手に入れようと画策しはじめた。能力に秀でた人間を募集し始めたのも、その計画の一環とされる。
最終更新:2007年09月16日 21:23