グフ・カスタム

グフ・カスタム
GOUF CUSTOM
登場作品 機動戦士ガンダム第08MS小隊
型式番号 MS-07B-3
全高 18.2m
重量 58.5t
所属 ジオン公国軍
搭乗者 ノリス・パッカード
武装 3連装35mmガトリング砲
ヒート・ロッド
ヒート・サーベル
ガトリング・シールド


【設定】

ジオン公国軍の陸戦用モビルスーツ。
MS-07グフの発展改良機で、型式番号からB3グフとも呼ばれる。
ジオン軍が地上侵攻の要として開発したグフであるが、配備が進むにつれ、白兵戦を重視したコンセプトのため攻撃範囲が狭い、また固定武装としたためデッドウェイトとなり汎用性に欠けるなど前線での運用に不便な点が浮上した。
そこでグフを全面的に見直し、固定武装を廃して射撃武装を着脱式とし中近距離射撃能力を向上させた機体として再設計したのが本機である。

具体的には、左手のフィンガー・バルカンを通常のマニピュレーターに変更。
左の固定武装のオプション化、ヒート・ロッドを材質を強化しワイヤー型とすることで小型化し射程距離を延長(最長17.5m)、それに伴い溶断機能を廃し放電のみとし、先端を鈎爪(アンカー)状とした*1
これらの改良によりトータルで高い性能を獲得しており、地上限定とはいえ1年戦争の傑作機のひとつだと言われている。

バリエーションとして、MSの単独飛行を始めて実現したグフフライトタイプが存在する。


【武装】

3連装35mmガトリング砲

従来のグフはマニピュレーターに内蔵される形で装備されていたが、MSの汎用性を失ってしまう上に内蔵式であるが故に装弾数が少なく戦闘中の給弾も難しいことから外付け方式で装備された。

ヒート・ロッド

鞭状であった従来のヒート・ロッドに対し、こちらは鉤爪とマグネット付きの重りを取り付けたワイヤー状となっており、ロッド径の縮小と射程の延長の両立に成功している。

ヒート・サーベル

発熱させずとも切断が可能な実体剣。

ガトリング・シールド

小型のシールドに75mmガトリング砲を取り付けた複合兵装。
75mmガトリング砲は中距離・遠距離戦では有効な反面、接近戦ではデッドウェイトになってしまう。
これを防ぐ為に75mmガトリング砲の着脱を容易に行えるようにしている。
連邦軍のMSに装備されているビーム・サーベルは強力であり、ヒート・サーベルでは性能差がありすぎる為に近距離戦における「間合い」を確保する為に開発されたといわれている。


【原作における活躍】

ノリス・パッカードの機体として登場。
ヒート・ロッドを駆使したワイヤー・アクション*2ジェット・コア・ブースターと空中戦を繰り広げ、その後ガンダムEz8陸戦型ガンダム陸戦型ガンダム(ジム頭)量産型ガンタンク3機を相手にするという不利な状況でありながら瞬く間にガンタンクを2機撃破、陸戦型ガンダム2機を翻弄し、Ez8も一時的に行動不能にする。
最終的には再起動したEz8と正面から対峙し、ビーム・サーベルによる攻撃を胴部に受け撃破されながらも後方にいた最後のガンタンクを破壊、本来の目的であるケルゲレン脱出の障害となり得る長距離火器の全破壊を達成した。


【搭乗者】

ノリス・パッカード

CV:市川 治(OVA) / 間宮 康弘(ジオラマフロント,アーセナルベース他)

東南アジアに設置されたジオン軍アプサラス開発基地の守備隊長。
サハリン家との関係は劇中では語られていないが、サハリン家に対する強い忠誠心を持っている。
サハリン家当主(アイナたちの父)亡き後、その代役としてサハリン兄妹、特にアイナを優しく見守っていた。
負傷兵を宇宙へ帰還させるアイナの望みを叶える為、単機出撃する。
第08MS小隊と量産型ガンタンク3機を翻弄し、あっという間にタンク2機とカレン機・サンダース機の長距離砲も破壊し、Ez8をシステムダウンまで追い込むも、再起動したEz8のパイロットがアイナの想い人である事を知った動揺から不覚を取られ、軽傷ではあるものの反撃を受ける。
最期はEz8と真正面から切り結ぶ瞬間、Ez8では無く後方のガンタンクの破壊を優先し35mmガトリング砲を発射。
ビーム・サーベルにコックピットを切り裂かれながらもタンクを撃破した。
さらに直前の台詞からここで死ぬ気であった事がうかがえる。
ノリスを撃破したシローもコクピット内で「負けた……。*3」と呟きグフの残骸に向かって敬礼するなど、その鬼神の如き活躍の描写は作品中でも際立っていた。

【原作名台詞】

  • 「強くなられました、恋のせいですかな。心外な、自分とて木の股から生まれたわけではありません、職業軍人の道を選ぶまでは…」(第10話)
    • アイナが幼い頃から世話をしてきただけあって、これまでとは変わった様子から想い人がいるのではないかと勘付いていた模様。しかし、ノリスもこの後の戦闘でその人物と出会う事になる。

  • 「人の生は何を成したかで決まる、ギニアス様は夢を成し遂げられた、立派です…アイナ様の望みがケルゲレンの脱出ならそれを助けるのが軍人としての私の役目。見事脱出ルートを確保して、ごらんにいれる。」(同上)
    • 出撃するノリスを止めようとするアイナへかけた最後の台詞。多くの負傷兵が乗る巡洋艦・ケルゲレンを宇宙へ逃がすべく、グフ・カスタムと共に死地へと発った。

  • 「怯えろ!竦め!モビルスーツの性能を活かせぬまま死んでゆけ!」(同上)
    • ノリスと本機体を象徴する名台詞。ノリス卓越したの操縦技術と、グフ・カスタムの圧倒的なパワーを見せつけられ、唖然とするシローに言い放つ。

  • 「アイナ様、合流できそうにありません。 自分は死に場所を見付けました。」(同上)
    • シローとの一騎打ちの直前に言った台詞。同時に赤い信号弾を発射する*4

  • 「アイナ様の想い人に出会う… フ…面白い人生であった。だが…負けん!」(同上)
    • 最期の相手がアイナの恋人だからか、どこか感慨深げである。

  • 「勝ったぞぉ!」(同上)
    • Ez8のビーム・サーベルに焼かれながらも叫んだ最期の台詞。。死に際に放ったガトリングガンは3機目の量産型ガンタンクを破壊しており、ノリスとシローの勝敗条件を考慮すれば紛れもなくノリスの勝利であった。


【VS.シリーズにおける活躍】

ガンダムVS.ガンダム

低コストの格闘機。ワイヤー・アクションによる高い機動性と高威力の格闘攻撃で勝負する機体。
使い捨てながらも格闘機としては優秀なガトリングも持っている。
玄人向けの機体で、元々のダッシュ性能やジャンプ力などは低く、ワイヤー・アクションが使えない限りまともな戦果は期待できないだろう。
公式全国大会ベスト8で残った4機種のうちの1機である。
しかしワイヤー・アクションによりほぼエンドレスで移動し続けることができ、格闘を外しても隙をワイヤーでキャンセルできるなど移動力と生存能力の高さはピカイチで無印時代の強機体群である7強に入っていた。
別名使い捨てフリーダム

ガンダムVS.ガンダムNEXT

ワイヤー・アクションが2回に減少する他、システム的に格闘機全般が冷遇され弱体化。
そのため無印時代よりも使い手の腕が問われる職人機体となっている。

ちなみにシン・アスカキラ・ヤマトには「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」に登場する、名前も姿も良く似ているザフトの新型量産機、グフイグナイテッドと誤認される。

ノリス役を務めた市川治氏はNEXT稼動前の2009年1月に心不全で逝去(享年73歳)、本作が市川氏の遺作となった。
EXVS.以降はライブラリ出演となっている。

EXVS.

基本は前作通りだが、格闘回りのレスポンスが多少改善されている。
ただし、空中後格(敵機の頭にサーベル刺してグリグリ)が派生専用となり、奇襲や急降下に使えなくなったのは痛いところ。
また、新たに道路を投げる新技を獲得したが、モビルアシスト消失の穴を埋めるにはちょっと足りないか。
とはいえ、ワイヤー・アクションによる飛翔は全般的にブースト消費が増大した今作のシステムと相性は良い。
特射からのブースト回復術の発見により、移動力がNEXTよりも上昇。覚醒による弾数回復もあり、NEXTよりアグレッシブに動くことができるようになっている。

EXVS.FB

前作のブースト回復術が削除。また、ステージの広域化とステキャンが実用的になり、更に着地ずらしやブースト回復術を持つ機体も増加したため、他の格闘機の例にもれず苦しい立場に置かれている。
しかし、相変わらずの機動性とA覚醒による格闘の伸びとダメージ上昇、そしてカット耐性も十分な乱舞型覚醒技の追加で、格闘機らしい爆発力を手に入れた形になっている。

EXVS.MB

武装はそのままだがコストが1500にアップ。それに伴うガトリングの弾数の増加が最大の強化点となっている。
その後も幾度かアップデートで強化されている。

EXVS.MB-ON

一部の格闘がかなりスタイリッシュな新規モーションになった。
その代わり出しきるまでは長くなっており、全体的に長時間・高威力の格闘を取り揃えた形である。

GVS.

コストが300(EXVSシリーズでは2000)にコストアップ。

EXVS.2

サブ射撃のヒート・ロッドに前作の特射がレバー入れサブとして使用可能。新たに後格闘にジャンプ斬りが追加。
これに伴い特殊射撃がクラッカーに、道路アタックがレバー入れ特射に変更された。
GVSと異なりコストが再び1500に戻っている。


【勝利・敗北ポーズ】

勝利ポーズ

ヒート・サーベルを構える(原作で信号弾を発射した時のポーズ)。
ガトリング・シールドは弾切れ如何に関係なくパージされている。

敗北ポーズ

膝を突き、ヒート・サーベルをシールド内へ収める。
こちらもガトリング・シールドがパージされている。


【勝利・敗北ポーズ】(EXVS.)

勝利ポーズ

ガトリング・シールドを前に向けてポーズ。パージ関係なし?

敗北ポーズ

ヒート・サーベルを地面に突き立ててひざを突く


【勝利・敗北ポーズ】(EXVS.FB以降)

勝利ポーズ

通常時:ガトリング・シールドを前に向けてポーズ。パージ関係なし?
覚醒時:シールドからヒート・サーベルを引き抜き構え、モノアイを発光させる。ガトリングは弾切れ如何に関係なくパージされている。
原作のガトリングパージ→サーベル引き抜きのシーンの再現?

敗北ポーズ

ヒート・サーベルを地面に突き立ててひざを突く


【その他の活躍】

ガンダムブレイカーバトローグ

本機を深紅に染めたガンプラ「グフクリムゾンカスタム」が登場。
赤い機体に搭乗していたゼハート・ガレットを基にしたAIパイロットが操縦する。

スーパーロボット大戦

条件次第でノリスが生存し、仲間になると入手できる。
また、グフ繋がりでランバ・ラルが搭乗したことも。

SDガンダム バトルアライアンス

プレイアブル機体として参戦する他、ミッション「震える山(前編)」ではボス機体として登場。
量産型ガンタンク撃破シーンを再現した飛び掛かりが強力かつ連発してくるうえ、増援も絶え間なく出現して回復も妨害してくるなど、序盤のボスとしてはかなりの強敵。
撃墜、またはある程度ダメージを与えて撤退させても次はガラッゾが現れる初見殺しステージとなっている。

市川氏はライブラリ出演だが、声付きでティエリアと掛け合いがある。


【余談】

ゲーム『ヒーロー戦記 プロジェクトオリュンポス』ではグフカスタムという敵が登場するが、08小隊が製作される前のゲームである為、当然ながら本機とは名前が同じだけの別物である。

ノリス役の市川氏の逝去後もVS.シリーズやGジェネレーションなどでは生前のボイスを流用しているが、『ガンダムジオラマフロント』や『アーセナルベース』では間宮康弘氏*5が代役を務めている。


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最終更新:2023年08月08日 14:45
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*1 これらの変更点からヒート・ワイヤーとも呼ばれる。

*2 VSシリーズでは特殊格闘、特殊射撃で再現されている

*3 所謂試合に勝って勝負に負けた状態

*4 赤い信号弾は『合流できず、ケルゲレン出航せよ』を意味する

*5 間宮氏はガンダム作品では『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』のクランク・ゼント役や『SDガンダムワールド 三国創傑伝』の呂布シナンジュ役を担当している。