アレックス

ガンダムNT-1 アレックス
GUNDAM NT-1 ALEX
登場作品 機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争
型式番号 RX-78NT-1
全高 18.0m
重量 40.0t
所属 地球連邦軍
武装 バルカン砲
ガトリング砲
ビーム・サーベル
チョバムアーマー
搭乗者 クリスチーナ・マッケンジー


【設定】

地球連邦軍のニュータイプ専用試作型モビルスーツ。
ガンダム*1をベースにニュータイプとして覚醒しつつあったアムロ・レイ専用機として開発された。

ジオン公国軍のニュータイプ専用機と異なり、サイコミュ兵器は一切搭載されていないが、これは当時の地球連邦軍がニュータイプに懐疑的であり、「常人離れした高い反応速度を持ったパイロット」でしか無かった為である。
ニュータイプとされるパイロットの能力を生かす為に全天周囲モニター・リニアシートといった新技術*2を備えている他、設計段階から関節部にマグネット・コーティングを施している。
これにより従来の機体とは桁違いの反応速度と運動性能を得たが、一般パイロットには敏感に反応しすぎる為に操縦し難く、技術者は「まともに扱えるのは一種の化け物」と評している。

その他にも実験的な仕様もいくつか盛り込まれており、外付け増加装甲のチョバムアーマー、腕の仕込みガトリング砲が特徴である。
チョバムアーマーはチェーン・マインの直撃からも機体を守り、ガトリング砲は近接戦用の隠し武器として威力を発揮する。
ただしガトリング砲はあくまでも奥の手なのか、遠距離の命中精度は悪く、装弾数も不安が残る模様*3
弾丸は強力な徹甲弾であるらしく、ザクのコックピット前装甲を綺麗に貫通し、破損もせずに操縦者の頭の真横を抜け、そのまま更に後ろへ貫通した。
破片を撒き散らしでもしていればバーニィが死傷した可能性は高かったので、あまりに高い貫通力が災いしたとも言える。

正式名称はガンダムNT-1*4で、アレックスの名称は型式番号RXをもじったものであり、装甲積層試験 (Armor Layered EXamination) の略称であるとされている。
前日談であるアニメージュの小説では搭載されている学習型コンピューター「ALEX」は人工知能的なものとして描写されており、チャット形式で会話するというシーンがあるが、劇中でもそれを暗示するかのようなシーンが存在する*5
ガンダムのラスト・シューティングの場合、それまでの戦闘データが蓄積されてあそこまで自立して動けており、ガンダムのよりは性能はいいと推測できる。

本来はアムロ・レイに支給される予定であったが、ホワイトベースに届けられないまま終戦を迎えることとなる。
しかし本機で得られたデータは、後にジム・カスタムジム・キャノンIIガンダム試作3号機の完成型全天周リニアシート等に活かされることとなる。

本機の最も特徴的な武装である「チョバムアーマー」は連邦軍のMS強化計画として度々挙げられるフルアーマーシステムの先駆け。
連邦軍は「火力と防御力」の両立を実現するこの改修案に積極的で後続の機体にも次々案が出されており、裏を返せば連邦軍の旧態依然として続く大艦巨砲主義の表れとも取れる。
なお、フルアーマーシステムの該当機体は本機の他にガンダムガンダムMk-II、ガンダムMk-III、百式改、ZZガンダムνガンダム等当時の象徴的な機体に多い。
逆にジオン系列機はこのような改修案は殆ど見受けられず、バージョンアップによる全体的な性能強化、宇宙などの特殊環境への特化機体という方向にシフトしていった。


【武装】

バルカン砲

60mm口径の近接防御機関砲。
頭部に2門を装備している。

ガトリング砲

両前腕の装甲カバー内に収納されている90mm口径の三砲身式ガトリング砲で、本機を象徴する武装。
モビルスーツの装甲を軽く貫通する程の威力を持ち、また通常は砲身が装甲内に隠されている為、意表を衝いた攻撃が可能だが、装弾数やメンテナンス性で課題が残っている。

ビーム・サーベル

近接白兵用のビーム兵器。
バックパックに2基装備されている。

チョバムアーマー

アレックス用に用意された追加装甲。
フルアーマーオペレーションの一環として開発された。


【武装:その他】

アレックスの装備として用意されていたが、実際に使われる事は無かった。

ビーム・ライフル

射撃用のビーム兵器。
RX-78-2の物より高い出力と貫通力を持つ。

ハイパー・バズーカ

スコープが付いている実弾兵器。

シールド

チョバムアーマーの構造を流用し、耐ビームコーティングを施している。
表面には「ALEX」と表記されている。


【原作の活躍】

サイクロプス隊の標的として、北極基地にてパーツの状態でリボー・コロニーへ移送された。
テストパイロットであるクリスチーナ・マッケンジー中尉の操縦の元、サイド6リボー・コロニーにてサイクロプス隊のモビルスーツ・ケンプファーと交戦、チョバムアーマーを破壊されるも腕部のガトリング砲によりこれを撃破。
後にクリスの知人であるバーナード・ワイズマンの搭乗するザクII改とも交戦し、バーニィの作戦により相討ちに終わる。

その後、機体はブッホ・ジャンク社によって極秘裏に回収された後、改修を施され、ガンダムAN-01“トリスタン”として生まれ変わる。


【搭乗者】

クリスチーナ・マッケンジー

CV:林原 めぐみ

地球連邦軍の中尉。
アルフレッド・イズルハの隣人で、愛称はクリス。
故郷であるサイド6のリボー・コロニーでアレックスのテストパイロットを務めている。

綺麗な赤毛の女性で少々おてんばながらも心優しく争いを好まない性格だが、この戦争の時代に戦うことの必要性を理解しており自分の周囲の人を守ることを決意して連邦軍に入隊するなど優しさの中に強さを持っている。
士官学校を首席で卒業したエリートで、MSパイロットとしての腕は悪くはないはずだが、彼女はNTではないためアムロ・レイ専用機として開発されたアレックスの性能を発揮するのは困難だった*6
しかし後れを取ったとはいえ、目前に迫ったケンプファーの攻撃を咄嗟の急発進でしのいだり、奇襲をかけたザクに対しコックピットへの迎撃を命中させるなど、最新鋭機のテストパイロットに選ばれるだけの技量は垣間見せている。

バーニィとはお互い敵同士であることを知らないまま出会い、憎からず思っていたようだが最終的にガンダムのパイロットとしてバーニィのザクII改と戦い、最後まで互いを知らないままバーニィを殺すことになってしまう。
中破したコクピットから救い出されたクリスを見て、自分の周囲の人たちが殺し合っていたことを知ったアルは絶句するのであった…。
一年戦争の終戦後に転属により故郷であるリボー・コロニーを離れることになった。

【原作名台詞】

  • 「パパ、ママ!早く警察に電話して!泥棒よ、泥棒を捕まえたわ!」
    • 第3話から。
      バーニィを泥棒と勘違いして、バットで気絶させたときの台詞。
      これがクリスとバーニィの出会いであった。

  • 「私が戦うとすれば、結局は自分のためよ。自分が一人ぼっちになるのが怖いから、戦うんだと思うの。
    でも、それは私の生き方。逃げることも、その人の生き方。どっちが正しいとか間違ってるとか、誰にも決められないことなのよ。」
  • 「戦えばそのために人が死ぬわ。でも、戦わなくても死んでいく。……正しいことなんて、どこにもない。
    自分に出来ることを、するしかないんだわ。」
    • 第5話から。

  • 「斜面は無人地帯です!森で戦います!」
    • 第6話から。

  • 「バーニィにも挨拶しておきたかったんだけど……アルから伝えてくれる?私が、よろしくって言ってたって。」
    • 転属命令を受け、リボー・コロニーを離れるときのアルとの別れの言葉。数日前に交戦し、撃破したザクのパイロットがそのバーニィだったことは最後まで知らないままだった…。


【VS.シリーズの活躍】

VS.シリーズではクリスとバーニィが互いにMSに乗っていることを理解している。

ガンダムVS.ガンダム

低コストの格闘機体として登場。着脱自在のチョバムアーマーはよろけ無効・格闘を1段ではじくという特性を持ち、これを活用して強引に近づき格闘攻撃を叩き込むというのがセオリー。
アーマーがある限りは格闘機体キラーとなるが、剥かれてしまうと非常に脆いという熟練者向けの機体。
ガンダムの発展機体なのになぜかコストも基本性能もダウンしているが、本機体はアムロ・レイという化け物じみた反応速度のパイロットを想定して作られており、テストパイロットであるクリスが使用する際には基の性能の10~20%程度まで抑えて出撃していた点を再現してのことと思われる。

余談だがチョバムを着た状態で家庭版で追加されたケンプファーのチェーン・マインを受けると見た目的にも原作再現となる。

ガンダムVS.ガンダムNEXT

チョバムアーマーの耐久値が激減。ガンダムデスサイズヘルのアクティブクロークの様に回復する仕様となったが、一度剥がれたら撃墜された方が早いくらいに回復は遅い。
代わりにチョバムアーマー着用時の機動性は大幅に向上、ガトリング砲の弾数と性能も改善しているため、より柔軟な戦い方ができる機体になった。
チョバムアーマーを手動入力でパージした破片には攻撃判定があり、通常はまともに当てられないが、キャンセルを駆使して格闘コンボに組み込めば(入力タイミングはややシビアだが)大ダメージを与えることができた。このコンボは後に公式化されることになる。

EXVS.

チョバムアーマー全壊してからのリロードが前作に比べかなり早くなった(とは言え修復するまでに生き残れるかはプレイヤーの腕次第だが)。パージ形態の新武装として取り出すモーション中にシールド判定が付いたビームライフルが追加される等、攻め手が前作に比べて大分増えている。チョバム形態は機動性がまた重くなってしまったが、チャージ格闘のバックナックルはいきなり素早い踏み込みからブン殴るので虚を突き易い。
素の耐久値は相変わらず全機体中最底辺の280、脱いだ状態メインで動くのでゴトラタンのような事故ヒットしやすい高威力武装を持つ機体やW0のような高機動型射撃機が相手だと立ち回りが一気に苦しくなる。
チョバムアーマーと特殊格闘でうまく使いまわせば実は生存能力は1000屈指であり、よろけを取りやすいメインと合わせてどれだけいやらしく立ち回れるかがカギ。上を取るなどして敵の視界に入らないようにチョバムを着たりするとかなり効果的で、頭では分かっていても戦闘中の焦りやチョバムを着ていることを見逃していると「チョバムに格闘をしてしまう」という展開は少なくない。そこで1コンとれるかでも本機の活躍は変わってくるだろう。そもそも格闘機の前でチョバムを着るだけでもプレッシャーになり、逃げ腰のメイン連発という消極的な戦いに終始せざるを得ず、時間稼ぎに便利
普段はいやらしく援護しながら1チャンスを見逃さない冷静な戦い方が求められる熟練向けの機体

EXVS.FB

アメキャンによる自由落下が可能になった。特にアーマー着用時は、機体の向きによらずにアメキャンができるため、かなり優秀。
追加された覚醒技は、「アレックスコンボ」。敵に突進し、アーマーをパージして敵を吹き飛ばす。(アーマーが無くても吹き飛ばす。)
NEXT時代のアーマーパージコンボが公式化した技と言える。

EXVS.MB

コストが1500にアップ。それに伴いアーマーの耐久値も細やかながら上昇している。
今作で追加されたオーバードライブはFとの相性がよく、アーマーとの組み合わせは中々強力である。

EXVS.MBON

バズーカを撃てるようになった。

ケンプファーが復活したがチェーンマインがアンカー属性になったのでNEXTまでのように原作再現はできない。

EXVS.2

ジム・スナイパーのアシストがデュナメスなどのような高弾速狙撃タイプに変更。

EXVS2.XB

サブ射撃にジム・スナイパーが一緒にマシンガンを撃ってくれるアシストが追加された。
通常時は、射撃CSが従来の特格のビームライフルになり、逆に特格が従来の射撃CSのバズーカとなり入れ替わりとなった。
チョバムアーマー時に射撃CSが追加され、アーマーをパージしながら通常時の射撃CS(ビームライフル)を撃つ攻撃となっている。
チョバムアーマーの弾数が100となってしまったものの、覚醒技発動時にアーマーの弾数が回復するようになった。


【勝利・敗北ポーズ:NEXTまで】

勝利ポーズ

チョバム着用時:上を少し見上げるだけ。
パージ納刀時:ガトリング砲のカバーを閉じて、おすっ!!
パージ抜刀時:ビーム・サーベル右手におろして構えて、左のガトリング砲を展開して腕を伸ばしている。

敗北ポーズ

チョバム装着時:がっくりとひざまずく。
パージ時:


【勝利・敗北ポーズ:EXVS.シリーズ】

勝利ポーズ

  • チョバム時:カメラに向かって横にビーム・サーベルを振る
  • パージ時:ガッツポーズをとる
  • パージ&戦場にアシスト残存時(FB.で追加):ジム・スナイパーIIと共にビーム・ライフルを構える

敗北ポーズ

  • チョバム時:がっくりと両膝をつく。
  • パージ時:頭部と左腕を失い、仰向けに倒れている。
  • 原作終盤でザク改と相打ちになった状態の再現と思われる。


【その他の活躍】

上述したようにザクに撃破された初のガンダム*7であるためか、ゲーム等では扱いが微妙なことが多い。
VS.シリーズのようにガンダムよりも性能が低く設定されるのはまだいいほうで、下記のゲームのように同じ一年戦争時代の機体より悪い扱いを受けることも。
無論ガンダムの発展機として高性能に設定されているゲーム(主に一年戦争を舞台としたゲーム)も存在する。

ガンダムビルドファイターズトライ

第10話のガンプラコレクションのガンプララリーでハイパー・バズーカを装備した機体が登場。使用者は参加女性モデルの1人。
TAKUとのデート権につられてベアッガイFの走行をシェンロンガンダムと共にガトリング砲とバズーカで妨害した。

第18話ではシキ・トシヤがガンプラ学園入学を目指していた幼少期に制作していたガンプラとして登場した。

ガンダムビルドダイバーズRe:RISE

クガ・ヒロトを雇ったフォースのメンバーが使用するガンプラとして登場。
ジム・スナイパーII共々、信号弾に反応したアカツゲーに追われていた。
また、原典で装備しなかったシールドを装備している。
最終話にも登場。シールドはMGでの展開ギミックが採用され、シールド越しにガトリングを発射していた。

機動戦士SDガンダム MARKーIV

「SD世界のガンダムたちが宇宙世紀の世界に迷い込む」という外伝作品『夢のマロン社・宇宙の旅』にリアルサイズで登場。
その時のカラーリングはガンダムと同じトリコロールカラーであった。
また、ゲルググJもゲルググ同様の緑カラーで登場している。

SDガンダムGGENERATION

ガンダムのマイナーチェンジ機に近い扱いだが、近年の作品ではνガンダムまで開発でき、最終的にはHi-νガンダムΞガンダムまで強化可能と将来性が非常に高くなっている。
また、『SPIRITS』より、有線式大型ビットを装備したアレックスの発展型という設定のオリジナル機体「ネティクス(NT-X)」が登場。

スーパーロボット大戦

「Zガンダム」から「逆襲のシャア」の機体が登場する中では旧式もいいところなので性能は低めとなっている。
時にはガンキャノンなど一年戦争初期の機体を差し置いて「老朽化のため強制廃棄処分」というとんでもない扱いをされた事も…。
比較的近年の作品によってはそれなりに見どころのある性能をしていることも。

トライエイジ

もちろんクリス専用機扱いでクリスを乗せるとボーナスが入るが、カードイラストの中には無事にアムロに届いたifを描いたものもあり、無傷でラストシューティングしている。


【余談】

原作に登場する機体の多くが当初「機動戦士ガンダム」に登場したモビルスーツのリニューアルデザイン(後にマイナーチェンジという設定)扱いだったこともあり、アレックスもまたそのような意図が含まれたような「ガンダムのリニューアルデザイン」的側面を持つ。

青と白のツートーンカラーが特徴の本機だが、もしもアムロの手に渡った際にはカラーリングも現在の青から黒に近い紺色に変更される予定だった。
このカラーリングはPS2版『ガンダム戦記』でアレックスの隠しカラーで拝むことができる。


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最終更新:2023年09月03日 12:55
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*1 8機の内の4号機、ガンダム4号機(G04)と同時開発説あり

*2 ただしこれは不完全な物であり、完全な状態で初めて採用されたのはガンダム試作3号機となる。

*3 ケンプファー撃破時の一連射で左腕の残弾は底を突いてしまった。

*4 アレックスに搭載されている学習型コンピューターの名称から

*5 合成音声などによる会話は行えない

*6 フルパワーの20%ですら振り回されていた

*7 宇宙世紀時系列ではカスタムされたザクIに撃破されたマドロック等がいるが映像作品としては初