ワルーン・ソード

ワルーン・ソード ~Wallon Sword~


基本スペックと定義



全長 60~70cm
重量 1.2~1.4kg
地域 西ヨーロッパ
年代 16~17世紀


ベルギーの「ブロードソード」で、ブロードソードの中では最も器用な攻撃ができるのがワルーン・ソードである。
ベルギー南東部に居住するワルーン人が17世紀ごろ使用した刀剣で、正面から見るとハート型にも見えるガードを備えているのが特徴である。
形状からこの部分を貝鍔と呼ぶことがある。
このガード部分とナックルボウだけを見ると、「スモールソード」をブロードソードにしただけに見えるが実際は違う。
スモールソードには飾り程度に備わっていた、ナックルボウとは反対にある「サム・リング」と呼ばれる鍵爪である。
ここにその名の示すように親指を引っ掛けることで、力を込めることで威力を増し、前後左右に動かすことで微妙な剣捌きをする補助的な役割を持っている。
シンプルな構造の中に実戦的な装飾を備えている、まさに「脳ある鷹は爪を隠す」的な武器と言えよう。

ちなみに、これといった鞘のデータが見つからなかったので今回は省略しました。





部位別の呼称



剣身:ブレイド(Blade)
切先:ポイント(Point)
柄:ヒルト(Hilt)
サム・リング(ThumbRing)
鍔:ガード(Guard)
握り:グリップ(Grip)
護拳:ナックルガード(Knuckle Guard)
柄頭:ポメル(Pommel)






時代背景



17世紀頃にワルーン人が使った武器である。
後のルネッサンス時代の刀剣に非常に大きな影響を与えた武器でもある。
ルネッサンス時代の刀剣の多くがサム・リングのような親指をかけるリングを採用しているのがその証拠である。
スモールソードもその影響を受けた一つなのかも知れない。





使用用途



通常のブロードソード同様、「レイピア」をたたき折るためのタフな武器である。
よって刺突よりも打撃を重きにおいて戦うといいだろう。
しかし刺突をするときでも、サム・リングを巧みに使うことで、威力を上げることもできるし華麗な剣捌きをすることもできる。
シンプルなブロードソードだが、非常に使いやすい優秀な刀剣と言えるだろう。





2009年 7月16日更新

参考文献


・ウェブサイト

 wikipedia

・文献

新紀元社        武器事典          市川定春      著
ダイヤグラム・グループ 武器―歴史、形、用法、威力 田島優 北村孝一 著
幻冬舎コミックス    図説 武器だもの      武器ドットコム    著






最終更新:2011年02月24日 02:24
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