ヒーター・シールド ~Heater Shield~
基本スペックと定義
縦幅 |
50~100cm |
横幅 |
30~40cm |
重量 |
1.0kg前後 |
地域 |
西欧諸国 |
年代 |
12~14世紀(推定) |
ヒーター・シールドとは「
カイト・シールド」の派生型の一つである。
熱いという訳ではなく、形状の名称がヒーターと呼ばれる形状であるため、こう呼んでいる。
逆三角形を伸ばしたような形状であり、基本的にはカイトシールドに近いのだが、やや丸みを帯びているというわずかな違いがある。
素材は特に記述があるわけではないのだが、基本的にほぼ全金属製の盾であり、多くのものが様々な紋章をつけていることが多い。
非常に美しい盾であると同時に、頑強な盾であると言える。
時代背景
元になっているカイト・シールドは元々は11世紀中期頃に北方からやってきたノルマン人によってもたらされた盾である。
騎乗したときに「脛とかの防御やばくね?」ということで、ほぼ左半身を覆うぐらいの騎乗用盾が考案され、結果生まれたのがカイト・シールド。
騎兵を中心に軍隊で広がっていき、西欧の騎士達の代表的な盾として定着していった。
更に鎧の発展に伴って、次第に軽量化・小型化されていったものが、このヒーター・シールドである。
この盾は、言ってみれば「RPGでの勇者様が持つ盾」のモデルとなっているものと言っていいだろう。
形状や紋章の描き方、色にはルールがあるのだが、これは当サイトの専門範囲外であるので紹介は割愛する。
もし紋章の描き方等について興味があるのであれば、「
Pichori」様のスペイン>>紋章>シールドの項目をお勧めする。
形状、紋章、フィールド分割、色等のルールについて非常に詳細に紹介している日本のサイトで、盾の記述に関しては当サイト一押しである。
今回の文様は赤のものはギュールズ(赤)カラーのライオン・ランパント(立っている獅子)の紋章のもの。
白のものは同じくライオン・ランパントをインエスカッシャンという配置方法で製作したものである。
使用用途
主に馬上で使用する盾である。
もともとの用途が馬上盾だったが、次第に徒下の兵士も普通に装備するようになる。
携帯方法は、右肩から斜めにギーガを掛けて、左手にヒーター・シールドがくるようにぶら下げる。
通常はこの状態で移動する。
防御をする場合、2本のイナーメを真ん中に寄せるように握ってしっかり固定して防御を行う。
「
ラウンド・シールド」と違ってかなりしっかりと固定するため、その大きさや素材も伴って非常に高い防御性能を誇る。
2010年 3月24日更新
参考文献
新紀元社 |
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武器甲冑図鑑 |
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市川定春 著 |
新紀元社 |
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武器と防具 西洋編 |
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市川定春 著 |
柏書房 |
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図説 西洋甲冑武器事典 |
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三浦 権利 著 |
最終更新:2010年09月15日 02:39